日本のインド進出のカギは「同じ目線でわかりあうこと」モディ首相ともやりとり、“架け橋”の男性語る

日本のインド進出のカギは「同じ目線でわかりあうこと」モディ首相ともやりとり、“架け橋”の男性語る

日本のインド進出のカギは「同じ目線でわかりあうこと」モディ首相ともやりとり、“架け橋”の男性語る

 停滞している日本とは対照的に、今後、世界経済の中心を担うとされる、インド。日本はどんな関係を築けるのでしょうか。

 黒木千晶アナ
 「今、ガンジー像の除幕式を前にインドのモディ首相が現れました。インドのモディ首相が、ゆっくりと除幕式に向かっています」

 今回のG7サミットでモディ首相が広島を訪れたのをきっかけに、インド政府から“平和都市”広島市に贈られたのは、“インド独立の父”であり、“非暴力”を訴え続けたガンジーの像です。

 除幕式には、モディ首相をはじめインド政府関係者など約120人が集まりました。その中に、長年、インドと日本の架け橋となってきた男性の姿がありました。

 ロイ詩都留(しとる)さん、67歳。インドのベンガル地方で生まれ、日本人の妻との出会いをきっかけに来日。京都で40年以上暮らし、現在は日本国籍を取得しています。

 ロイさん
 「(日本は)いろんな素晴らしいものありますから、祭りもいろんなものある」

 黒木アナ
 「京都の祭りでいろいろ行かれたりすることは?」
 ロイさん
 「もちろん、もちろん。今日も葵祭ありましたでしょ。時代祭、それから祇園祭…」

 ロイさんは30年前に貿易会社を設立。インド進出を目指す日本企業へ、これまで20社以上にアドバイスをしてきました。

 ロイさんは約15年前、インドと日本の企業を繋ぐ中で、日本に興味をもっていたモディさんと知り合いました。

 黒木アナ
 「モディさんが日本に来られる時にロイさんは会ったりするんですか?」
 ロイさん
 「もちろん。モディ首相になってからも、前からも会っているけど」

 インドと日本、両国の文化に親しみが深いため、どちらの国からもロイさんを頼る声が絶えません。

 ロイさん
 「何かあったら、こちらに声をかけてきて『ロイ、ちょっと、これやってください、あれやってください』といろいろ頼んでくる」

 この日、ロイさんのもとを訪れたのは水質を測る機械などを販売している京都の会社です。

 河川や地下水の汚染が深刻なインドで事業を始めようと、何度も現地調査を行い、ロイさんも、これまで幾度もアドバイスしてきました。

 「アナテック・ヤナコ」柳本依子代表取締役
 「最初のころはインド自体がどんな国かもわからないし、(現地の)状況も行ったことないと時はわからなかったので。ロイさんに『我々のような機械は、インドでどうなんですか』とか、いろいろ聞いて」

 ロイさん
 「インドともっともっと、いい関係作りましょう」

 柳本さん
 「インドは人脈が大事だな、とつくづく思う。協力いただいてビジネスを広げていきたいな、と」

 今年中に人口が世界一になる見通しのインドの巨大市場を目指し、ロイさんに相談を持ちかける日本企業は増えていますが、多くの相談に乗る中で、見えてきた課題があるといいます。

 ロイさん
 「失敗している会社はインドのビジネス価値観、文化、それを理解せずに始める」

 黒木さん
 「日本で、まだまだインドが“途上国”という見方も?」
 ロイさん
 「(日本は)そういうところがあると思います。上から目線ですね。(でも)彼ら(インド人)はプライドがすごい高い。お互いで喧嘩が始まると成功しない。そこがお互い理解できない場合、(成功は)難しい」

 ロイさんは、同じ目線でお互いが分かり合うことが、まずは重要だと話します。

 ロイさん
 「インド人は日本人のことを大事だと思っている。文化でもビジネスでもいい友達になれる。もっとお互い助けることができるようになると信じています」

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