クマ襲撃か　湖畔で“人の頭”発見…相次ぐ出没「水辺に注意」攻撃的になる恐れも(2023年5月16日)

クマ襲撃か　湖畔で“人の頭”発見…相次ぐ出没「水辺に注意」攻撃的になる恐れも(2023年5月16日)

　釣り人の男性が行方不明となっている北海道幌加内町で、人の一部が見つかりました。付近では、長靴をくわえたクマが目撃されていました。

■釣り仲間から一目置かれる存在「慎重な人」

　男性が行方不明になってから丸一日。事態は大きく動きました。クマが目撃された現場近くでは、人の体のようなものが見つかりました。

　幌加内町の朱鞠内湖で、西川俊宏さん（54）の行方が分からなくなったのは、14日のことです。

　西川さんは、他の釣り人9人と一緒に1隻の船に乗り込み、午前5時すぎに船着き場を出航。およそ6キロ離れた釣り場で、1人だけ船から降りたといいます。

　それからおよそ3時間後の午前9時ごろ、船のガイドが迎えに行ったところ、そこに西川さんの姿はなく、かわりに胴長靴をくわえたクマが目撃されたのです。

　知人によりますと、西川さんは釣り仲間から一目置かれる存在だったといいます。

　西川さんの知人：「超ベテランだから、さんざん教わって。北海道生まれ北海道育ちの釣り好きの人で、僕らには神様みたいなものかな。（過去に）向こうにクマがいるからやめて帰ってきたと言っていた。あの人はそういう怖さをものすごくよく知っている。ものすごく慎重な人です」

　安否が心配されるなかで行われた15日の捜索では、西川さんのものとみられるリュックや釣りざお、ライフジャケットなどが回収されました。釣り場の近くでは人の頭部が見つかり、警察が身元の特定を進めています。

　さらに、猟友会のハンターが体長およそ1.5メートルのオスのクマ1頭を駆除しました。

　クマ駆除に参加した人：「（クマは）沢の辺りにいたところから、我々のいる付近まで出てきて、障害物がない状態で撃つことができた」

■クマとの遭遇…増える春「水辺には注意」

　北海道で相次ぐクマの出没。

　13日に室蘭市中心部で撮影された防犯カメラの映像です。道路の真ん中を歩くクマ。走って来た車に驚いたのか、反対方向に走り去りました。夜が明けると、付近の路面にはクマのものとみられる足跡が残っていました。

　これまでに5件の目撃情報が寄せられていることから、市は「ヒグマ注意報」を出し、警戒を呼び掛けています。

　先月には、北海道南部の山道に現れたクマ。車が通り抜けるのをやめ、バックした次の瞬間でした。クマが走って追い掛けてきたのです。1分間にわたって追い掛けられた後、ドライバーは隙を見てクマの横を通り抜け、事なきを得ました。

　冬眠から目覚めたクマと遭遇するケースが増える、今の時期。クマの生態に詳しい専門家は、特に水辺では注意を払う必要があると指摘します。

　知床財団　保護管理事業係　伊集院彩暮さん：「渓流釣りなどは、クマも人も互いに気付きにくい状況に陥りやすい。水辺なので、音が聞こえづらく、お互い音とかで気付く前に至近距離で遭ってしまう可能性が考えられる。ばったり遭遇してクマがびっくりして攻撃的になることはある」

（「グッド！モーニング」2023年5月16日放送分より）
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp/a>