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院内クラスターの実態『19床のコロナ病棟に32人』別病棟も転用して一般救急も停止(2022年2月14日)
新型コロナウイルス患者の軽症・中等症病床の使用率がついに115%を超えた大阪府。医療現場の負担は限界に近づいています。オミクロン株の容赦ない感染力は病院内でもクラスターを次々と引き起こしています。患者と職員合わせて70人規模のクラスターが起きた大阪市内の病院を取材しました。
大阪市此花区にある「大阪暁明館病院」。第3波の頃から新型コロナの軽症・中等症患者を受け入れてきました。そして今年1月下旬に院内で初めてクラスターが発生したといいます。この病院では36床のベッドがある外科病棟を2020年11月から新型コロナ病棟に転用。ゾーニングなどの観点から19床を運用していました。しかし、2つあるリハビリ病棟のうちの1つで、1月24日に患者1人の新型コロナ陽性が判明。その後、感染者は雪だるま式に増え、1月31日には32人の新型コロナ患者がコロナ病棟で治療する事態となりました。
(大阪暁明館病院 西岡崇浩事務長)
「クラスターが発生した9階のリハビリ病棟から、どんどん患者(新型コロナ陽性者)を移したため、19床を運用していたコロナ病棟が、32床まで埋まったということですね。元々36床の外科病棟だったんですよね。感染防止のために4床の部屋でも最大でも2人で使いましょうと言っていたものを、物を全部出して、部屋をほぼほぼ全部使い切る形になってしまいました」
さらに追い打ちをかけるかのように、もう1つのリハビリ病棟でもクラスターが発生。入院患者7人の感染が判明して、既存のコロナ病棟には入りきらなくなったため、リハビリ病棟自体を臨時のコロナ病棟に転用しました。
(大阪暁明館病院 西岡崇浩事務長)
「どんどん陰性の患者を移動させて、パーティションをたくさん他から持ってきて、残っているマンパワーで無理やり夜にやりましたね」
一連のクラスターで感染した人の数は患者41人・職員30人に上り、一般医療にも大きな影響が出たといいます。
(大阪暁明館病院 西岡崇浩事務長)
「夜間の一般救急も昼の一般救急も止めました。それから手術も実は2月9日まで止めていました。新規入院も1回止めて、それからリハビリテーションも外来も全て止めさせてもらいました」
大阪府内では他の病院でも院内クラスターが続発しています。大阪狭山市の近畿大学病院では、1つのクラスターが収まった直後に別のクラスターが発生して、現時点で患者と職員計23人の感染が判明しています。
大阪暁明館病院の西岡事務長もオミクロン株の感染力の強さは想像を超えていたといいます。
(大阪暁明館病院 西岡崇浩事務長)
「感染管理のナースがみんなを指導しながら、PPE(防護具)の着脱やマスクやゴーグルの付け方を含め、割と色んな感染対策を早めに打ってきたつもりではいたので。この状況でクラスターが発生するのかということで、さすがにちょっとドキッとしています」
大阪暁明館病院のクラスター関連の陽性患者は2月13日時点では10人にまで減りました。臨時のコロナ病棟もリハビリ病棟としての運用に戻り、一般医療はおおむね平常化しましたが、新たな不安も生まれています。
(大阪暁明館病院 西岡崇浩事務長)
「救急で来る患者さまが、別の疾患で来ているにも関わらず、ほとんどの人がコロナ陽性なんですね。帰せないのでコロナ病棟に入れて下さいということで。救急を受け入れたら、もれなくコロナ患者さんが入ってきてしまうという状況が続いています」
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