【新型コロナ5類へ】“モノ”が伝えるコロナ禍の3年間 3千点以上の資料が博物館に 記録を後世へ

【新型コロナ5類へ】“モノ”が伝えるコロナ禍の3年間 3千点以上の資料が博物館に 記録を後世へ

【新型コロナ5類へ】“モノ”が伝えるコロナ禍の3年間 3千点以上の資料が博物館に 記録を後世へ

 経験のない出来事に、様々な恐怖や不安、悩みがあふれたコロナ禍。当時の世の中を身の回りにあふれる"モノ"で後世に語り継ごうとした人が大阪にいます。彼が見た“3年間”とは?

 「コロナ感染拡大の緊急事態宣言により営業の自粛をさせていただきます」
 「新型コロナウイルスに便乗した詐欺に注意とか」

 吹田市の博物館に眠る、様々な資料。

 五月女さん「アリの巣をつついて、わーってなっていた3年間でしたよね」

 五月女賢司さん。コロナの流行する、この時代は、記録して後世に残すべきだと考え、博物館の学芸員としてコロナに関わる資料を収集しました。その数は、3000点以上にのぼります。

 現在も、大学で研究を続ける五月女さんは、資料から、時代の空気感と人々の思いが見えると言います。

 大阪国際大学 五月女賢司・准教授
「これはですね、吹田市が毎月1回出している“市報すいた”という広報誌なんですけれども、(2020年)5月にこういった形に変わるんですね。すごく緊張感漂う表紙になっているなと。この(4月との)差が非常に大きいですよね」

 病院が、入院患者の家族に手渡していた紙。辛い思いを胸に、博物館に寄贈されました。

 五月女さん「面会ができない中で、お父さんが亡くなられてしまった。コロナがなければ、お父さんの最期にも会えていたと考えると、胸がちょっと苦しくなりますね」

 中でも、五月女さんが気になっていた資料がありました。

 非難の矛先が向けられることが少なくなかった飲食店に、誰かによって貼られた、1枚の紙です。

 五月女さん「“休業してください”と。“休業しないのはテロ行為だ”と。かなり感情を殴り書きしたのがなんとなく感じ取れる。飲食店がターゲットになってしまったりだとか、そういった時期ってありましたよね」

 コロナ禍の3年間から、私たちは、何を学べるのでしょうか。

 五月女さん「価値観と価値観、正義感と正義感であったり、そういったものがぶつかりあった3年間だったのかなと思う。コロナ禍の資料を収集して、また思い出していただいたり、時に過去を振り返って客観的にあの時代って何だったのか、自分にとってどういう時代だったのか、1人1人が考えるきっかけに(資料が)なればいいのかなと思っている」

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