「データと機体の回収がポイント」事故原因解明は…海中に機体か 陸自ヘリ不明(2023年4月14日)
陸上自衛隊のヘリが宮古島沖で消息を絶って8日。14日も朝から、海上自衛隊の艦艇が停泊し、捜索活動が行われました。
13日午後10時ごろ、掃海艦が海底で、ヘリに乗っていた隊員と機体とみられる物を発見しました。そこはレーダーからヘリが消失したポイントよりも北で、伊良部島からは7キロほど離れた場所になります。
ただ、簡単に引き揚げとはならなさそうです。現場では14日に、飽和潜水が行われることになっていました。飽和潜水とは、事前に体を深い海の水圧に慣らすことで、通常では潜れない場所にも潜水できる方法です。
潜水艦救難艦『ちはや』は、発生3日後に現場海域に到着し、その準備にもあたってきました。14日に飽和潜水の作業は始めましたが、何らかの理由でダイバーがカプセルから海中に出られず、中止になったといいます。再開は15日以降になります。
岸田総理:「機体の引き揚げが可能か、確認作業を行うとともに、事故原因の早期究明に努めてまいりたい」
本格的な引き上げ作業は、飽和潜水が終わらないと始めることはできません。
自衛隊関係者:「自衛隊に機体を引き揚げる装備はありません。引き揚げは民間に頼むことになると思います」
政府関係者:「民間のサルベージ会社と、機体を引き揚げる方向で調整に入った」
行方不明になっている10人の隊員。コロナ禍が落ち着き、これから地元の人たちとの本格的な交流が始まる矢先の事故でした。
行方不明の宮古警備隊員の知人:「(Q.常に島のことを)考えていた。色んなところで、住民と接点を持ちたいと。『内地に行くと、行軍などの訓練がある。宮古ではなかなかOKにならない。色々やりたいね」と。そのためには『地元に溶け込んで頑張らないと』と考えている人。(宮古島に)陸自が来てすぐ、コロナで地元と一緒になるイベントがなくて。コロナ明けで“4周年記念事業”と部隊を開放して、一般に見せたりして」
関係者が待ち望んでいるのは、一日も早い救助です。
行方不明の宮古警備隊員の知人:「(Q.この一週間どういう気持ちで)なんか落ち着かない。どんより沈んだというか。きちんと家族の元に帰してあげるべきだし、何らかの結果が出てこないといけないんだろうなと」
【事故原因 解明のポイントは?】
航空機の安全に詳しい、元国土交通省航空局安全部長・高野滋さんによりますと、フライトデータレコーダーからは、ヘリの高度・速度・機体の姿勢が分かります。コックピットボイスレコーダーは、パイロット同士の会話を録音していて、どのように異常が発生し、墜落したかを解析できます。また、機体全体の破損状況からは、記録データと照らし合わせて、事故当時の状況を詳細に解析できるということです。
機体や複数の隊員らしきものもみつかったという点について、高野さんは、あくまでも推測だとしたうえで、仮に機内に隊員が残っていたとすると「ヘリの高度が低かったため、脱出できなかった可能性がある。自衛隊のパイロットは、非常時に脱出する訓練をするはず。脱出する余裕がないほどの突発的なことが起きたのではないか」と話しています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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