「心身喪失の状態にあった」警官刺され拳銃奪われた事件 36歳男性に高裁が無罪判決(2023年3月20日)

「心身喪失の状態にあった」警官刺され拳銃奪われた事件 36歳男性に高裁が無罪判決(2023年3月20日)

「心身喪失の状態にあった」警官刺され拳銃奪われた事件 36歳男性に高裁が無罪判決(2023年3月20日)

4年前に大阪府吹田市の交番が襲撃された事件で、3月20日、大阪高裁は1審の判決を取り消し、36歳の男性に無罪判決を言い渡しました。

 事件は2019年6月、吹田市の交番前で男性巡査が胸などを何度も包丁で刺され、実弾の入った拳銃を奪われました。裁判の争点は、男性が犯行当時に精神疾患を患っていたことから「刑事責任能力の有無」でした。

 1審の大阪地裁の判決は「統合失調症の影響抜きに説明できないところもあるものの、計画性があり、善悪を判断できる能力を全く欠いた状態ではなかった」などとして、限定的に責任能力を認め、懲役12年を言い渡しました。

 そして、3月20日の2審判決で、大阪高裁は「1審判決は統合失調症が犯行などに影響していた評議が尽くされていない」とした上で、「拳銃を奪うなどの行動自体が統合失調症の影響が増す中で行われたもので、犯行前後を総合的に鑑定すれば心身喪失の状態にあった」として、被告の男性に無罪を言い渡しました。

 大阪高検は「判決内容を精査した上で適切に対応する」とコメントしています。

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