【解説】“子どもや若者”の意見を政策に…「こども基本法」4月からスタート 先行事例では高校生の意見を反映

【解説】“子どもや若者”の意見を政策に…「こども基本法」4月からスタート 先行事例では高校生の意見を反映

【解説】“子どもや若者”の意見を政策に…「こども基本法」4月からスタート 先行事例では高校生の意見を反映

3日は子どもの健やかな成長を願うひな祭りですが、国会では子ども予算をめぐり議論が続いています。

◇子ども予算 求められるのは…
◇子どもの意見聴く 義務化
◇若者議会に“1000万円”

以上の3点を詳しくお伝えします。

■子ども関連の予算 6月までに財源を含め大枠を示す
まずは3日の岸田首相の発言です。

岸田首相
「国民のみなさんにとっても安心感や希望につながり、その結果として出生率の向上に資する。こうした効果的な政策の内容をパッケージとして具体化し、将来的な子ども・子育て予算倍増に向けた大枠を提示したいと考えています」

少子化は将来、働き手が不足するなど、すべての世代に関わる深刻な問題です。出生数が過去最少の80万人を割る中、子育て支援が急務となっています。

おさらいですが、政府は子ども関連予算を倍増させると発表していて、今月中に政策のたたき台をまとめ、6月までに財源を含め大枠を示すとしています。

■貧困対策に取り組む団体が申し入れ
財源はどうするのか、増税はあるのか、わからない状況です。何にどれくらい予算をつけるのか、具体策が見えない中、さまざまな意見があがっています。

例えば今週、子育て支援や子どもの貧困対策に取り組む4つの団体が、与党と一部の野党に申し入れを行いました。訴えているのは、「児童手当の所得制限の撤廃」「すべての世帯の妊婦健診や出産の無償化」「大学までの教育費の原則無償化」「働き方に関係なくすべてのこどもを保育園に預けられる、全員保育・全妊婦支援」。こうした子育て支援を、収入などに関係なく政策として実行してほしいと訴えました。

■子どもや若者の意見を政策に 「こども基本法」4月からスタート
子ども関連の政策が注目される中、来月から始まるのが「こども基本法」という法律です。これまでの政策は、当事者が子供であろうと決定するのは大人でした。これが、4月からは、子どもや若者に関する政策を決める際には、子どもや若者に意見を聴くことが、国とすべての地方自治体に義務づけられます。

例えば、コロナで一斉休校がありましたが、今後は必ず子どもたちの意見を聴かなければいけなくなります。そして、その意見をできる限り政策に反映させることも必要になります。

■若者の意見を反映させた先行事例 総額1000万円をかけ図書館を大規模リノベーション
具体的にどのように若者の意見を反映していくのか。自治体による先行事例があるので紹介します。

東京・町田市は、市が行う事業について本当に必要かどうか、改善策はないかなど、市民が評価人となって、市の職員と話し合い評価する場が2年に1回ほどあります。

この場に、「市民評価人」として、2017年度からは高校生たちが参加しています。実際、高校生の意見が反映されたケースがあります。

例えば、ホールや会議室を備えている地域センターの利用要件についてです。これまでは、18歳未満だけでは利用できませんでしたが、18歳未満も個人で部屋を利用できるよう、ルールの見直しが進められています。
愛知・新城市では「若者議会」というのがあり、年間1000万円まで予算が使うことができます。議会は市長の附属機関で、議員は16歳から29歳までの定員20人。政策を企画し、市議会の承認を経て実現させています。

実際に「図書館の勉強スペースが足りない」という意見をきっかけに、3年間で総額1000万円をかけた、図書館の大規模なリノベーションが行われました。

■“子どもの意見表明” 子どもたちはどう見ている?
子どもの意見表明の取り組みについて、子どもたちはどう思っているのでしょうか。

約2100人の子ども・若者へのアンケートでは、「国や自治体の制度や政策について、思ったことや意見を伝えたいですか」という質問に対して、「そう思う」が33.6%、「ややそう思う」34.8%と、“伝えたい”という意見が半数以上をしめた一方で、「あまり思わない」が21.5%、「そう思わない」が5.8%と、“伝えない”という意見が25%を超えました。

なぜなのか。「あまり思わない」「そう思わない」という意見の中で、なぜそう思うのか最も多かった理由が、「意見を伝えても反映されないと思うから」(43.3%)でした。どうせ言っても、結果に結びつかないだろうと諦めてしまっている意見になります。

国の検討会の報告書案では、「反映までのプロセスを、こどもや若者にわかりやすくフィードバックすることが重要」。つまり、若者の意見を参考意見扱いせずに、意見がどのように扱われたのかまで、しっかり伝えることが大事だとしています。

   ◇

来月から子どもたちの意見表明の取り組みが本格的に始まりますが、大人と子どもが上下関係にあるのではなく、社会を作るパートナーとして、家庭や学校などで、日常的に大人が子どもたちの声に耳を傾けることが大切だと感じます。
(2023年3月3日放送「news every.」より)

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