【女性警察官を“処分”】「捕まえて」要望も微罪処分を提案 なぜ?
青森市で今年1月、タクシーの運転手が酔った乗客に暴行を受けた事件。駆けつけた女性警察官が、対応が不適切だったとして処分されました。女性警察官は、「事案が多発し、安易な方法で事件を処理しようとしてしまった」と話しているということです。
◇
青森市で今年1月、タクシーのドライブレコーダーが、居酒屋帰りの男を乗せた時の様子をとらえていました。3分ほど走らせ、目的地に到着。運賃の支払いを求めると――
男「何がほしいのよ?」
運転手
「メーター分、640円頂ければ」
男
「…はあ?」
男は、かなり酒に酔っている様子でした。
運転手
「お金持ってなかったのか」
男
「だから今、家から持ってくるってしゃべってるだろうが」
突然怒り出すと車から出たため、運転手の男性が追いかけるともみ合いになりました。そして――
運転手
「あぁ」
男
「コラ」
「なによ、コラ」
「ププッって何や、ああ、コラ」
運転手
「お客さん暴力だよ…」
男
「暴力!?」
男の暴力は、約5分間続きました。運転手の男性はメガネを壊され、頭部や腹部にケガをしました。
その後、通報を受けた警察官が到着しました。
男性警察官
「胸ぐらつかまれた?」
「事件として届け出したいとか、捕まえてほしい気持ちある?」
運転手
「全然ある」
「男を捕まえてほしい」と、運転手の男性は話しました。
そこにやってきたのは、30代の女性警察官です。
女性警察官
「状況は?」
男性警察官
「(運転手は)捕まえてほしいと」
女性警察官
「ごめんなさい、ちょっと失礼して」
しかし、交代した女性警察官からは驚きの発言が出ました。
女性警察官
「『犯人捕まえてくれ』ってなると、運転手さんもこれから拘束しなければいけなくなる。警察署に来て、『どういう状況だったんですか』って話を聞いたりとか、きっと朝までかかるんだよね、逮捕するとなればね」
女性警察官
「微罪っていう処理があるので、それでもいいかな?」
運転手
「うーん」
女性警察官が提案した「微罪」という処分は、犯罪事実が極めて軽い場合などに適用されるもので、「微罪」となった場合は逮捕や書類送検はされません。運転手も一度は女性警察官の提案を受け入れかけましたが――
運転手
「あとあと面倒になると嫌なので、ちゃんとやった方がいいと思って、告訴するみたいな感じで」
女性警察官
「告訴…被害届出すってことだよね」
女性警察官
「さっき『微罪でいい』って言ったから上司の方に『微罪でいい』って報告しているんだけど、うーん…」
納得しない様子でした。
女性警察官
「どっちがいいの?」
運転手
「だから、訴える」
女性警察官
「訴えるってことでいいの?」
運転手
「うん」
女性警察官
「気持ち変わったってこと?」
運転手
「変わった」
女性警察官
「その変わった理由は何?」
その後、警察から連絡がなかったため、不安に思った運転手が被害届を提出。乗客の男は、傷害の疑いで逮捕・送検されました。
「微罪」で処理しようとしたことについて女性警察官は、「事案が多発し、安易な方法で事件を処理しようとしてしまった」と話しているということです。
青森県警は、対応に問題があったとして、女性警察官を処分しました。
被害を受けた運転手は、事件後、一度も出社できていないといいます。
被害を受けた運転手が勤務するタクシー会社の常務
「どの事件もこんなことやっているのかなと、不信感しかない」
(2023年3月2日放送「news zero」より)
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