【気球問題】防衛省 ルール緩和の方針 武器使用を認めるよう検討

【気球問題】防衛省 ルール緩和の方針 武器使用を認めるよう検討

【気球問題】防衛省 ルール緩和の方針 武器使用を認めるよう検討

日本の領空内で確認されていた「気球型の飛行物体」について、防衛省は「中国の無人偵察用気球だと強く推定される」と発表しました。15日、外国の気球が日本の領空に侵入した場合の対応をめぐる自衛隊の武器使用のルール緩和の方針を示しました。

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日本の領空内では、たびたび「気球型の飛行物体」が確認されています。

2021年9月、東京・小笠原諸島の父島で上空に漂う気球らしき物体が撮影されていました。球体の下にぶら下がっていたのは、パネルのようなものです。

「あれかな気象庁の観測の…でも、飛ばさないですよね、こんな時間ね」
「なんかぶら下がってますよね」

「初めて見ました、私も」

「何だろうね?」

気球らしき物体は2020年6月、宮城県上空でも確認。球体の下にぶら下がった十字型の部品と、2基のプロペラが動く様子がはっきりと捉えられていました。

2019年11月、鹿児島・薩摩川内市でも確認されました。

“気球”を目撃 せんだい宇宙館館長
「一見すると静止しているように見えたんですけど、望遠鏡などで見たら動いている様子は如実にわかりました」

去年4月には、沖縄・座間味島でも目撃されていました。

“気球”を目撃 佐野裕二さん
「『何だろうねー』って感じで、真っ白だったので不思議でした。防衛のシステムをすり抜けて来ているのがわかると、恐怖を感じますね」

この他にも2021年9月には青森県上空で、2022年1月には屋久島周辺上空でも確認されました。このうち防衛省は、2019年の鹿児島県上空、2020年の宮城県上空、2021年の青森県上空に現れた3つについて、「中国の無人偵察用気球だと強く推定される」と発表しました。

自民党内では、中国のものとみられる気球の問題に“日本の防衛に大きな穴”があるのではとの危機感が示されています。

自民党 小野寺元防衛相(15日)
「今回の事案というのは、我が国の防衛にとってもしかして大きな穴があるんではないかと。そのような心配をもたらす事例だと思います」

岸田首相は15日午後、衆院・予算委員会で「外交ルートを通じて中国政府に対して、このような事態が生じないよう強く求める。(領空)侵犯は断じて受け入れられない」と中国に抗議したことを明らかにしました。

一方、中国外務省は15日、「確実な証拠もない状況で中国の顔に泥をぬっている」と強く反発しました。

そのような中、15日、防衛省が方針を示したのが、外国の気球が日本の領空に侵入した場合の対応をめぐる自衛隊の武器使用のルール緩和です。

気球は国際法上、「航空機」とされる一方、現在、日本では領空侵犯した航空機に対しては「正当防衛」と「緊急避難」に当たる場合のみ、武器を使用して撃墜することが認められています。

ただ、パイロットがいない気球や無人機に対しては、「正当防衛」の前提となる「警告」を行っても反応がないことが想定されるため、防衛省はルールを緩和し、武器使用を認めるよう検討することにしたのです。

防衛省は、これまで以上に「気球」についての情報収集や警戒監視に努めるとしています。

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そして、アメリカでも、日本同様に“飛行物体”が相次いで目撃されています。

今月に入って、4日にアメリカ・サウスカロライナ州で、10日にアメリカ・アラスカ州で、11日にカナダ・ユーコン準州で、12日にはアメリカ・ミシガン州で飛行物体を撃墜しています。

このうち、4日に撃墜した中国の偵察気球について、主要なセンサーや電子機器など重要な残骸を回収したと新たに発表しました。他の飛行物体については、残骸を回収できていないため明確なことは言えないとした上で、商業目的や研究用の気球だった可能性もありうるとしています。

気球をめぐり、アメリカと中国は非難の応酬をしています。

中国側は15日、アメリカが気球を撃墜し、中国の6つの企業・団体を貿易のブラックリストに追加したことについて、「中国の主権や安全を損なうアメリカ企業に対抗措置をとる」と表明しました。
(2023年2月15日放送「news zero」より)

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