【解説】日銀 新総裁に植田氏 政府人事案 戦後初の学者 今後“異次元緩和”はどうなる?|TBS NEWS DIG
日本銀行の新総裁に名前が挙がった植田和男氏。日銀総裁が変わり、異次元の金融緩和が修正された場合、生活にどのような変化が起きるのか?深掘りします。
■新総裁に植田氏 政府人事案 戦後初の学者 生活に影響は
【経済学者 植田和男 氏(71)】
お酒好きで東京ヤクルトスワローズのファン
・静岡出身
・東京大学 卒業
・米マサチューセッツ 工科大 博士課程修了
1998~2005年:日銀 審議委員
現在:東京大学名誉教授・共立女子大学教授
→戦後初“学者出身”
井上貴博キャスター:
日銀の審議委員、このとき当時で46歳ってのは異例の若さでの抜擢と言われていたそうです。これまで日銀の総裁というのは日銀出身者と財務省出身者がたすき掛けの形になっていくのが慣例でした。しかし世界の中央銀行を見ていきますと、総裁は大体学者がなるということです。海外の一般的な部分に日本も近づいたという、見方もできるのかもしれません。
交流があるお二人に話を伺いました。
ーー植田さんはどんな人?
野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英 氏
「物静かで穏やかで、紳士的な人。学生にも好かれている」
野村総合研究所 シニア研究員 井上哲也 氏
「話し上手で英語も堪能。日銀関係者とも交流がある人」
そもそも日本銀行とその総裁は何をしているのか。
▼日本銀行は何をしている?
“物価の番人”=物価の安定を図り 国民の生活を守る
▼日銀総裁の役割
年8回の金融政策決定会合、議長を務めるのが“日銀総裁”
■日銀の異次元緩和どうなる 新総裁に植田氏 政府人事案
今の総裁の黒田さんといえばアベノミクスの根幹をなしていました。屋台骨と言われていた異次元の金融緩和、ゼロ金利政策。ここからどう舵を取っていくのか、植田さんは学者ならではのデータ重視と言われているそうです。
経済学者 植田和男 氏
「現状では金融緩和の継続が必要であると考えている」
つまり黒田さんの路線を、現状では続けていこう、その先どうしていくのかというバランスが大変難しくなっていきそうです。
野村総合研究所の木内氏は「植田氏は黒田総裁の金融緩和にやや否定的。混乱を起こさないよう慎重に修正していくのではないか」と話しています。
生活への影響をどういったことが言えるのか経済アナリストの森永康平さんに話を伺いました。
経済アナリスト 森永康平氏によると・・・
銀行は長期金利・短期金利 上限引き上げの可能性がある。
→住宅ローン・企業の融資…負担増。
景気に関して森永さんは…
経済アナリスト 森永康平 氏
「景気が十分に良くなってから、出口戦略をとるならいいが、その前だと景気には悪影響」
「ただし景気自体は日銀だけの責任ではなく、政府側の適切な財政政策も同時に求められる」
ホラン千秋キャスター:
次の総裁はどんな方向に舵を切りそうだと星さんは思っていますか?
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
今回の人事の特徴は黒田路線・金融緩和路線を継続していくのか、大幅に見直すかっていう二つの流れがあって。岸田さんはその中間の植田さんによって微調整。少しずつ時間をかけて修正していこうっていう路線を岸田さんが選び、植田さんもそれを遂行していくっていうことになったんだと思うんです。
ただ先ほど森永さんも指摘してましたけど、これはもう日銀だけの責任じゃありません。政府も財政対策とか社会保障とか構造改革をこれから一層しなくちゃいけない、逆にその責任は政府の方にも跳ね返ってきてるということだと思います。
ホランキャスター:
中間というお話ありましたけれど、財務省出身者でもなく日銀出身者でもなく、学者の植田さんにお願いしたというのはどんな理由があるんでしょうか?
星さん:
まず植田さんの路線は黒田さんべったりでもないし、全否定でもない。学者ですからデータに基づいて論理的に、ロジカルに進めていこうということなんです。ただし学者ですとそんなに政治的なパイプがあるわけではない。その辺は副総裁の2人が支えていくという枠組みを選んだ。そういう意味ではその3人がセットで今回は選ばれたと見ればいいと思います。
井上キャスター:
総裁と副総裁2人、やはり三位一体でという部分がポイントだということなんですね。
星さん:
特に日銀理事の内田眞一さんはずっとこの10年間、その黒子として黒田さんの政策を支えてきた事務方。英語も堪能で非常に手堅い。
前金融庁長官の氷見野良三さんは大蔵省、財務省の中で非常に実務能力に長けてます。それから金融の世界ってのは世界のネットワークがありますから氷見野さんは世界の金融マンとの交流もありますので、非常にそういう意味では植田さんという学者を支える実務家としてはがっちりとしたスクラムの体制になったと思います。
井上キャスター:
植田さんの人事は相当なサプライズ人事と言われてますけど、岸田総理として安倍派を意識しながら党内の派閥のバランス相当考えた中での落としどころと考えていいんですか。
星さん:
特に今年に入ってから、アンチ黒田…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230214-6067973)
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