土師淳君の父・守さん「事件記録をずさんに管理することが遺族に及ぼす影響わかって」(2023年2月14日)

土師淳君の父・守さん「事件記録をずさんに管理することが遺族に及ぼす影響わかって」(2023年2月14日)

土師淳君の父・守さん「事件記録をずさんに管理することが遺族に及ぼす影響わかって」(2023年2月14日)

裁判記録の廃棄をめぐって行われた、事件の遺族への意見聴取。2月14日の午後1時前、神戸連続児童殺傷事件で亡くなった土師淳君(当時11歳)の父親・守さんが、弁護士らと共に最高裁に入りました。

 26年前、神戸市須磨区で当時14歳の「少年A」が土師淳くんら5人の小学生を殺傷しました。少年Aはその後、神戸家庭裁判所での少年審判を経て、医療少年院に送致。2004年に21歳で仮退院しました。

 少年審判の事件記録は、少年が26歳に達するまで裁判所で保存するよう定められていて、それ以降については「史料的価値が高い場合」や「社会の耳目を集めた事件」は最高裁の内規で永久保存が義務付けられています。

 しかし去年10月、神戸家裁が事件記録を全て廃棄していたことが発覚しました。失われた資料はどのようなものだったのか。その手掛かりが残されていました。当時、少年Aの付添人を務めた工藤涼二弁護士に話を聞きました。

 (工藤涼二弁護士)
 「捜査記録の目録です。家庭裁判所にどういった捜査資料が送られたかということがわかります。目録だけですけれど」

 残されていた捜査関係書類の目録。少年Aに対して取られた大量の供述調書など、捜査関係文書だけで1000点以上に上ります。また、押収物目録を見ると、新聞社に届いた犯行声明文なども事件記録に含まれていたことがわかりました。

 (工藤涼二弁護士)
 「(実際の資料は)段ボールで4~5箱分にはなったんじゃないかと思いますね。(廃棄について)まず最初に聞いた時は驚きましたよね。これだけの事件の記録を廃棄してしまうのだったら、今後どういった事件だったら残してもらえるのか。犯行に至る精神の形成過程とかね、そういったところを検証するという意味でも貴重な資料になったのではないかな」

 事件記録を廃棄していたのは神戸家裁だけではありませんでした。奈良県田原本町の少年による放火殺人事件や、京都府亀岡市で小学生など10人が死傷した暴走事故など、「世間の耳目を集めた事件」の記録廃棄が相次いで発覚しました。

 これを受けて最高裁は適切な保存のあり方を見直すための有識者会議を設置。2月14日、全ての事件記録を失った神戸連続児童殺傷事件の被害者遺族・土師守さんから意見を聞きました。

 そして土師守さんは、最高裁から意見聴取を受けた後、会見に臨みました。

 (土師守さん)
 「被害者、子どもが生きた証そのものを奪っていくことだというふうに思っています。少年法改正以前の事件でしたので、全く事件記録閲覧もできませんでした。事件記録そのものは私たちが命を奪われた理由に近づく大きな資料。事件記録をずさんに管理することが、被害者遺族に及ぼす影響といいますか、それをわかってほしかった。廃棄に至った経緯をきちんと解明していただいた上で記録保存に生かしてほしいというふうに思っています」

▼MBS NEWS HP
https://ift.tt/PMtikxj

▼最新ニュースや特集を毎日配信 チャンネル登録お願いします!
https://www.youtube.com/c/MBSnewsCH?sub_confirmation=1

#MBSニュース #毎日放送 #神戸連続児童殺傷事件 #遺族 #少年A #神戸家庭裁判所 #事件記録

MBSnewsCHカテゴリの最新記事