「なんか安い九州電力」電気代の“価格差1.3倍”…専門家「原子力発電の比率が高い」(2023年2月14日)

「なんか安い九州電力」電気代の“価格差1.3倍”…専門家「原子力発電の比率が高い」(2023年2月14日)

「なんか安い九州電力」電気代の“価格差1.3倍”…専門家「原子力発電の比率が高い」(2023年2月14日)

 異例の対応です。電気料金の大幅な値上げを申請している大手電力4社に対し、河野太郎消費者担当大臣が、自らヒアリングを行いました。

■値上げ申請に…河野大臣「しっかり見極め」

 街の人:「値上がり、すごく上がっている気がしますね。去年と比べて、プラス1万円くらいになっている感じがしますね」「(Q.電気代いくら払ってますか?)(先月)5万円弱ですね。去年の今くらいは3万円ちょっとです。だから、1.5倍くらい。ちょっと来月が怖い」

 街から悲鳴が聞こえてくる、大幅な電気料金の値上げ。

 河野大臣が、一室に呼び集めたのは東北、中国、四国、沖縄の大手電力4社の社長です。4社は、燃料価格の高騰などを理由に、「家庭向け規制料金」の値上げを国に申請しています。

 河野大臣:「御社が効率的に、色々コストをやっていただいているか、しっかり見極めなければいかんと思っています」

 値上げを巡り、大臣が自ら問いただすのは、異例のことです。

 現在までに値上げ表明しているのは、消費者庁を訪れた4社に、東京電力などを加えた7社。しかし、九州電力など3社は動いていません。

■九州電力 値上げしない理由…原子力発電の比率

 そんななか、表面化しているのが、電気代の地域格差です。

 エネルギー経済社会研究所・松尾豪代表:「例えば、608キロワットアワー、60アンペアの家庭を想定しました。九州電力はこの条件によると、2万583円。この時の東電は、2万6888円。1.3倍ほどの違いがあります」

 一体、なぜ九州電力は値上げを表明せずにいられるのでしょうか?

 松尾代表:「原子力発電所の再稼働が進んでいること。九州電力は2021年度、原子力発電の比率が36%。その他の電力会社は、それほど原子力発電所の比率が高くない」

 原子力発電の比率が高い九州電力などの電力会社は、石炭やLNGなど燃料高騰の影響を受けにくいというのです。

 ネット上では、こんな声も上がっています。

 ツイッターから:「九州電力の圏内でよかったなあと電気代うんぬん見て思う」「1月最強寒波で暖房やらなんやらかんやら相当使ったはずなのに。#電気代#なんか安い#九州電力」

 専門家は、今後さらに格差が広がる可能性を指摘します。

 松尾代表:「東電の場合、(今回の試算は)柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を見込んだ数字。再稼働が進まなかった場合には、想定されている原価というのは当然上がるわけですから、コストが想定よりも上昇する。つまり、再値上げの可能性は否定できない」

■“原発60年超運転”規制委で…異例の多数決

 一方、13日夜に開かれた原子力規制委員会の臨時会合で、極めて異例の事態が起きました。

 原発の運転期間を「原則40年、最長60年」とする現行の制度から、「60年を超えても運転可能」とする制度へと見直す案について話し合いが行われるなか、意見が分かれたのです。

 原子力規制委・山中委員長:「当然、年数が経れば劣化が生じます。ただし、それは一律ではなく、個々の原子力発電所で確認すべきもの」

 原子力規制委・石渡委員(地震・津波担当):「この改変は、科学的・技術的な新知見に基づくものではない。安全側への改変とも言えない。こういったことにより、私はこの案には反対致します」

 これまでの会合では、重要な案件については満場一致で決定してきましたが、今回、地震や津波などの審査を担当する委員が反対を表明。意見の相違は最後まで埋まらず、賛成4、反対1の多数決で、原発を60年を超えても運転可能とする案が正式決定となりました。

(「グッド!モーニング」2023年2月14日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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