【サウナで地域活性化】湖で“ととのう” 熱波…企業や旅行業界にも波及
山梨県の甲府駅から車でおよそ1時間、市川三郷町の山の奥にある、標高850メートルにある四尾連湖(しびれこ)。水面が凍るほど寒い場所ですが、そのほとりには、「テントサウナやってます」という看板が出ていました。
先月オープンしたばかりで、大自然の中で楽しめる、いわゆる“アウトドアサウナ”が体験できる場所です。
高温に熱せられた石に水をかけ蒸気を立ち上らせる「ロウリュウ」もできる、本格的なフィンランド式サウナで、“サウナ好き”の番組スタッフが入ってみると、開始早々さっそく汗が…。
しっかり汗をかいたら、ここからがアウトドアサウナの真骨頂。目の前の湖へと一目散に進めば、そこは、およそ2℃に冷えた「天然の水風呂」だからです。
なぜこのような環境でサウナを始めたのでしょうか。
ドラゴンサウナサービス・赤尾守敏代表
「アウトドアサウナをやるからには、川が水風呂になったりとか(が必要)。そういった資源が山梨にはたくさんある」
アウトドアサウナの条件が“ととのっている”という山梨県。そこで、県はサウナを新たな観光資源として、地域活性化に役立てようとしています。
実はいま、こうした“アウトドアサウナ”を観光の目玉にする動きが広がりをみせています。
福島県には目の前に猪苗代湖を臨む絶景のロケーションにあるサウナや、秋田県には世界遺産・白神山地エリアで、雪の中で楽しめるサウナなど、地元の自然を売りにしたサウナが登場しています。
その先駆けとも言えるのが、大分県・豊後大野市。“温泉王国”にありながら、温泉が1つもないことを逆手にとり、2021年、「サウナのまち」を宣言し、あえてサウナを推し、「ととのう旅」を提案しています。
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こうした取り組みを、旅行業界もバックアップしています。日本航空は“サウナ旅”として、航空券とサウナ付き宿泊施設のパッケージプランを販売しています。
さらに、自ら現地に行ってサウナを体験し、動画を制作し魅力を発信する社員も登場しています。社内に“サウナ部”まで設立した“JALサウナ部”幹事長の岡本昴之さんは、「最終的に海外の方がサウナを目がけて日本に来るというムーブメントができたら非常に面白いなと思っている」としています。
一方、サウナの熱はビジネスの世界にも及んでいます。
名古屋にある自動車などの部品の設計や開発を行う「タマディック」では、社屋の最上階に、本格的なサウナが設置されています。社員は仕事の前後であれば利用できるといいます。
タマディック・森實敏彦社長
「頭の疲れが取れてきっといいアイデアが湧くと思ってサウナを使ってほしい」
サウナで疲れた頭と体をリフレッシュ。また、取引先を招くこともしていて、ビジネスの加速にも期待できるということです。
(2023年2月9日放送「news every.」より)
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