一家の生き残りは誕生した赤ちゃんだけ…トルコ地震 死者1万人超“72時間”迫る(2023年2月8日)

一家の生き残りは誕生した赤ちゃんだけ…トルコ地震 死者1万人超“72時間”迫る(2023年2月8日)

一家の生き残りは誕生した赤ちゃんだけ…トルコ地震 死者1万人超“72時間”迫る(2023年2月8日)

トルコ南部で発生した大地震。トルコとシリア両国の死者は、1万人を超えました。

“生存確率が大幅に下がる”といわれる『72時間』が迫るなか、懸命の救出活動が続いていますが、明らかに人手が足りていません。

トルコ政府は、震源に近い10県に、3カ月の非常事態宣言を出しました。救出活動の人員を広く集めたり、支援物資を広く行きわたらせたりするため、政府の権限を拡大させるのが目的です。

トルコには、70の国と地域から支援の申し出がきています。UAEからトルコに向かう輸送機には、医療品などが積まれています。
CNN・アンダーソン編集主幹:「こちらは、すべて医療用品で、手術用ガウン、手袋、消毒綿です。こちらは点滴用の器具で、さらに物資が積み込まれます」

トルコ国内でも、地震の影響が少ないイスタンブールでは、支援の輪が広がっています。イスタンブール市内にあるボランティアセンター。物資が山積みになっていました。
ストーブや毛布を持ち込んだ市民:「寒いから被災地に送ります。少しでも助けになればと思います」

ここで仕分けして各地に送られていきます。ただ、課題もあります。雪で道が悪いうえに、被災地の支援に向かう人の多くは、自家用車を使うため渋滞が起きています。

生き残った被災者の命を守るための支援も急がれています。被災地の競技場には、仮設のテントが並びます。トルコ政府が運んでくる支援物資には、大行列ができていました。
被災者:「みんな朝6時からパンをもらうために並んでるんだ。2日間、こんな状態で、誰が助けてくれるんだ」
被災者:「暖房がない。それさえあれば、ほかに何もいらない」
被災者:「ここに来ても、火で暖を取るだけ。食べ物も水もなく、かろうじて生きている。家に帰りたい」

震源から約100キロ離れたシリア北部の中心都市・アレッポ。人命救助のタイムリミットとされる72時間が、ここでも迫っています。

被災しながらも、誕生した新たな命。助け出されたときには、まだへその緒がついたままで、母親は、出産後に亡くなったとみられています。一家で生き残ったのは、この子だけでした。
救助された新生児の親戚:「声がしたんです。周りを探したら子どもでした。そして抱き上げたら、その子どもは泣き出したのです。神様の御業ですね」

シリア北部には、シリア政府からの支援が届かない反体制派の支配地域もあります。トルコからの交通網も寸断され、他国からの援助も厳しい状況です。

シリア政府には、内戦の影響で厳しい経済制裁がかけられ、そもそも物資が不足しています。現地で支援を続ける国連の難民支援機関のスタッフは、こう話します。
UNHCRシニア渉外担当官・細井麻衣氏:「通常の国で起きた地震ではないというのが、一番、大きな特徴。12年も紛争に困っている人たちがいる。経済封鎖、経済制裁によって、物資ほか、そもそも入ってきていない。そのうえで、地震がきて、本当に三重苦、四重苦。地震自体の被害は免れたものの、地震で負ったけがが原因で、状況が悪化して亡くなる人が増える。政治的な思惑を離れ、人道的な観点から、国であれ、個人であれ、支援を賜ることが非常に重要になる」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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