登録内容と目的は? 犬猫にマイクロチップ義務化へ

登録内容と目的は? 犬猫にマイクロチップ義務化へ

登録内容と目的は? 犬猫にマイクロチップ義務化へ

今年6月からペットショップで販売される犬や猫への装着が義務化されます。チップには飼い主の連絡先が記録されますが、その目的は?

都内にある動物保護団体。

スタッフ
「飼えなくなった理由は何になりますか?」
「(母が)病気で入院して」

高齢の母親が飼っていた14歳のトイプードル。母が病気で入院し、親族でも引き取り手がないため、団体に保護してもらうことにしたのです。

スタッフ
「年齢的にはもうなかなか(引き取り手が)決まらない年齢ですので」
「がんばれよ」

この団体では、ひと月に15匹近くの犬や猫が保護されています。そして、新たな飼い主の元に行く前にあることを行っています。

犬猫譲渡センター 東京支部長
「マイクロチップが入っていない子には新たにうちの方で入れて、一度捨てられた子が2度目3度目がないよう、マイクロチップを入れて飼育放棄の抑止力にしたい」

環境省によりますと、2020年度に、迷子や飼育放棄で、保健所や動物愛護センターに引き取られた犬や猫はおよそ7万2000匹で対応が課題になっています。

そんな中、解決策の一つとして注目されているのが、マイクロチップです。マイクロチップとは、この小さい電子機器のこと。直径1~2ミリ、長さ1センチほどです。これを犬や猫の首の皮膚の下に注射します。

獣医師
 「体が小さいので、皮下脂肪が少ない分、針が突き抜けないよう気を付けて行っている」

マイクロチップが埋め込まれた部分に専用の読み込み機械を当てると、15桁の番号が表示されます。この番号に飼い主の名前や住所、連絡先などを紐づけて登録しておく仕組みです。費用は病院によって違いますが、5000円から1万円程度です。このマイクロチップ装着が6月から、ペットショップやブリーダーなどの業者に義務付けられます。

こちらのペットショップでは既に15年前からマイクロチップが入った状態で販売しています。

「マイクロチップはこの首の後ろあたりに入っております」

元々は捨て犬、捨て猫防止のために始めましたが、マイクロチップにはもう一つ大きなメリットがあるといいます。

ペットショップ店長
「迷子になってしまった時や災害時にお客様と離れ離れになってしまっても、飼い主の元に連絡がいきますので、そういった理由での殺処分もなくなります」

アメリカの獣医師学会の調査では、マイクロチップを装着した犬が飼い主とはぐれた場合、50%以上で飼い主の元に戻り、装着していない場合の20%を大きく上回っています。既に犬や猫を飼っている一般の飼い主は6月から、マイクロチップの装着が努力義務となりますが・・・

飼い主
「よく脱走をするので、入れておいたほうがいいかなと思う」
「自分の手から離れたときに、身元が分かるものがあると安心」

ただ一方でこんな声も・・・

飼い主
「異物を入れるってどうしても抵抗がある」
「もし(マイクロチップが)自分の体に入ることを考えると怖い」

マイクロチップは、生体適合ガラスやポリマーで覆われているため、副作用はほとんどなく、一度装着をすれば半永久的に使用可能と言われていますが不安を持つ飼い主もいるのです。

この日、都内の動物保護団体に連れてこられた14歳のトイプードル。日々手放された犬や猫の引き取り手を探す中で、飼い主の情報がわかるマイクロチップは安易な飼育放棄の抑制に繋がると期待しています。

しかしそれ以前に、ペットを飼う人に考えてもらいたいことがあるといいます。

犬猫譲渡センター 東京支部長
「本来は捨てる抑止力になるために、マイクロチップを入れるべき問題ではなく、そもそも犬・猫を飼うのであれば、やはり命ですので、その子たちが命尽きる最後の日まで見ていただくのが当たり前の話ですし、やっぱり今一度飼う側の責任をしっかりと考えて欲しい」
(31日23:55)

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