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【中国“偵察気球”】アメリカで目撃相次ぐ ルート周辺に“核ミサイル”基地 撃墜で緊張…
中国の偵察気球の目撃情報がアメリカで相次ぎ、米軍機に撃墜されました。飛行ルート周辺には、核ミサイルが配備されている空軍基地などが点在しています。軍事用の気球の開発を進めているとみられる中国側は反発し、両国間の緊張が高まっています。
■撃墜の瞬間か…「気球が落ちてくる」
アメリカ南部・サウスカロライナ州で4日撮影された、中国の偵察気球撃墜の瞬間とみられる映像。「気球が落ちてくる」という声が収められています。気球とみられる白い物体に航空機が接近した後、形を崩しながらゆっくりと落下していく様子が映っています。
アメリカ国防総省によると、4日午後、アメリカ軍の戦闘機がミサイル1発を発射し、気球を海に撃墜したということです。
■北西部でも…「明らかに動いている」
撃墜の3日前には、北西部モンタナ州でも見られました。1日に撮影された映像には「これは月ではない。月はこっちにある。明らかに動いている」と驚くような言葉も。
中国の偵察気球の目撃情報が相次ぎました。
■アラスカから防空識別圏に侵入か
アメリカ国防総省高官によると1月28日、気球はアラスカ州・アリューシャン列島の北の防空識別圏に侵入すると、30日にいったんカナダの領空に入った後、31日に再びアメリカの領空内に入りました。
アメリカメディアが公表したNOAA(アメリカ海洋大気庁)の予測に基づくと、上空を東に移動し、4日に撃墜されるまでの飛行ルート周辺には、核ミサイルが配備されている空軍基地などが点在しています。
■展示会にも…「軍事用の気球」開発か
撃墜される前の気球を見ると、ソーラーパネルのような板状の装置も確認できます。米政府高官は4日、「中国の偵察気球は、機密軍事施設を監視することを目的としていたことが確認された」と明らかにしました。
中国の気球については、今回と同タイプかは不明なものの、一昨年に広東省で行われた航空兵器などの展示会にも登場しています。軍事用の気球の開発を進めているとみられます。
■中国側は「民間の気象研究用」と主張
今回の事態にバイデン大統領は4日、「1日に気球について説明を受け、すぐさま撃墜するよう命令した。国防総省は地上に被害が出ないようにやることにした」と話しました。
関係者によると、全長がスクールバス2台~3台分ほどあるという偵察気球。アメリカ軍は、市民に危険が及ぶ可能性があるとして撃墜のタイミングを探っていましたが、4日、沖合に出たところで実行されました。
一方、中国外務省は6日の会見で「今回の気球は民間の気象研究用で使われていた。アメリカは過剰反応し、武力行使を行った。受け入れられない無責任な行為です」と不満を表明。
中国側はこの日、「アメリカがさらにエスカレートさせるなら必要な対抗措置を取る」とあらためて反発しました。
両国で言い分が食い違い、緊張が高まります。5日から予定されていたブリンケン国務長官の中国訪問も延期になりました。
気球の残骸は約11キロにわたり広がっていて、アメリカ側は全ての残骸を回収し、解析する考えを示しています。
(2023年2月6日放送「news zero」より)
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