高齢者施設で感染相次ぎ職員が不足…訪問診療チーム『KISA2隊』が人手不足に対応(2022年1月31日)

高齢者施設で感染相次ぎ職員が不足…訪問診療チーム『KISA2隊』が人手不足に対応(2022年1月31日)

高齢者施設で感染相次ぎ職員が不足…訪問診療チーム『KISA2隊』が人手不足に対応(2022年1月31日)

全国で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、高齢者施設ではクラスターが相次いでいます。

 奈良県にある介護老人施設では、約80人が入居していて、1月23日に施設で初めて陽性者が確認されて以降、次々と感染が広がり、1月30日時点で利用者31人・職員6人が陽性となりました。こうした事態で深刻なのが“職員の人手不足”です。

 (施設の職員)
 「(職員が)PCR検査を受けて急に来られなくなるというのもあるので、当直明けで来たりとか、ナースさんもそうですけど連勤続きです。人員が一番欲しいです」

 陽性となり仕事を休まざるを得ない職員は実に全体の3分の1近くに上り、県や医師会に医療スタッフの支援を要請しましたが、対応は得られていないといいます。

 そんな中、1月30日に訪問診療チーム「KISA2隊」の医師ら6人が支援のため現場入りしました。「KISA2隊」は利用者や職員の抗原検査にあたりますが、検査キットの数が十分にはないため、必要性の高い人から対応していきます。

 また、陽性になった患者に行っていたのは点滴治療です。投与しているのは新型コロナウイルスのオミクロン株に有効とされる中和抗体薬「ゼビュディ」。重症化を防ぐとされ、1月29日にようやく施設に30人分が届いたということで、手分けして患者に投与していきます。

 (KISA2隊)「しんどくないですか?」
     (患者)「はい」
 (KISA2隊)「大丈夫ですね?」
     (患者)「はい」

 施設には自分で身の回りのことができる人から認知症の症状がある人まで幅広く入居していますが、現場で治療にあたった「KISA2隊」の小林正宜医師は「高齢者施設ゆえの感染防止の難しさがある」と話します。

 (KISA2隊 小林正宜医師)
 「認知症の進んだ患者さんであればマスクを嫌がる。“絶対にマスクをしない”という方が多くいらっしゃいました。ご自分でうろうろ歩いたり、他の方の部屋に行ったり、そういう方も見受けられましたので。やはり感染拡大してしまう構造に高齢者施設に関してはなっているんじゃないかと」

 当初、若者を中心に感染が拡大したオミクロン株ですが、ここ最近は顕著に高齢者への感染が増えているといい、この地域で高齢者の診療を続けてきた医師は改めて感染対策の徹底などを訴えます。

 (KISA2隊・奈良 北和也医師)
 「オミクロン株は軽症で済むといわれていると思うし、“風邪だ”という人もいるかもしれないですけれど、高齢者にとっては全然そんなことなくて。あれよあれよと酸素が下がっていく人も中にはおられます。ワクチンの接種や感染対策が多くの人の命を助けることになるのと思うので、ぜひよろしくお願いします」

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