「ルフィ」と“東京で会った”証言 「桃太郎」から指示…4容疑者“収容所の中”なのに(2023年2月1日)
相次ぐ強盗事件などとの関連が疑われる4人の容疑者について、フィリピンの法相は「来週月曜日（6日）までに強制送還したい」と話しました。そして、容疑者の父親を取材。父親は被害者に謝罪しました。
■収容所からスマホ押収…“6台持ち”も
暗がりのなか、フィリピンのビクタン収容所に入る大勢の警察官や入管職員。背中には「地域特殊作戦部隊」を表す「RSOG」の文字があります。
職員：「2人は向こうを頼む。俺たちはこっちを調べる」「何か出てきた？」「何もない」「トイレの捜索をお願いします」
現地時間先月31日午前2時に抜き打ちで行われた捜索の様子です。このビクタン収容所にいるのが、渡邉優樹容疑者（38）、今村磨人容疑者（38）、藤田聖也容疑者（38）、小島智信容疑者（45）の4人です。
いずれも、2019年にフィリピンで摘発された特殊詐欺に関わったとされ、警視庁が窃盗容疑などで逮捕状をとっています。
4人が収容所のどこにいるかは分かりませんが、映像の中には、調理器具なども確認でき、比較的自由な生活が許されていることが分かります。
職員：「あなたのスマホを押収しました。それに、たばことライター1つ」
机に並べられた押収品の中には、大量のスマートフォンがあります。渡邉容疑者ら4人のものも含まれていて、そのうち1人は、6台も所有していたといいます。
■強制送還…法相「月曜日に間に合えば」
今、焦点となっているのは、4人の容疑者がいつ、どのような形で日本に強制送還されるのかということです。
先月31日、フィリピンのレムリヤ法相は、次のように話しました。
レムリヤ法相：「別々か、4人同時に送還するか、日本大使館に助言を求めます」「（Q.送還は来週月曜日（2月6日）になりそうですか）そうなることを期待しています。月曜日に間に合えば」
ただ、そう簡単にはいかない事情もあります。
レムリヤ法相：「送還手続きの前に、裁判のヒアリングがあります。送還手続きに入るのは、ヒアリングが終わってからです」
フィリピン国内で起こされている訴訟の問題をクリアしなければならないというのです。
渡邊容疑者と元妻は、マニラ湾に面した高級住宅地で暮らしていました。元妻は、渡邊容疑者から暴行を受けたとして、過去に訴訟を起こしていますが、その事件は今も係争中だということです。
訴訟に関して、元妻とみられる女性の弁護士は、次のように話しました。
元妻と思われる女性の弁護士「訴訟は深刻です。そして、偽装ではありません。有罪となっても控訴するかもしれないし、さらに最高裁まで持ち込むかもしれません」
こうした訴訟をフィリピン政府は捏造（ねつぞう）とみていて、訴えが棄却され、裁判がなくなる可能性があります。
■藤田容疑者の父「名前見た時は驚いた」
強制送還される4人のうち、渡邉容疑者と今村容疑者、そして藤田容疑者は、北海道出身で、38歳という共通点があります。
先月31日、藤田容疑者の地元・七飯町に向かいました。北海道の南に位置し、人口3万人ほどの七飯町。藤田容疑者の父親が、取材に応じました。
藤田容疑者の父親：「名前を見た時は、驚きました。高校を出てから、札幌のほうに行った。そこからは本人と関わっていないので、全く分からないです。事件に遭った人には非常に申し訳ないですし、私たちもとんでもない思いをさせられているので、腹立たしい思いです。家を出て行ってからは何も知らないので、お話できることはありません」
一方、渡邉容疑者と今村容疑者は、一連の強盗・窃盗事件に関与した疑いがあり、指示役とされる「ルフィ」との関連が注目されています。
■“収容中”なのに…「ルフィ」と東京で会った
そして先月31日、山口市で開かれたある事件の裁判でも、「ルフィ」という名前が飛び出しました。
上野被告の弁護を担当 白井耕二郎弁護士：「『ルフィ』から30万円の報酬があると言われて、それに参加することを決意したのは間違いない」
上野晴生被告（23）は、山口県の強盗未遂事件と岡山県の特殊詐欺事件に関与したとされ、その際、「ルフィ」と名乗る人物に会っていたというのです。
上野被告は、ツイッターで高額バイトに応募したところ、「桃太郎」を名乗る男などから「ルフィ」と会うように指示を受けます。
上野被告は、東京・東村山市にある久米川駅の近くで「ルフィ」と名乗る男と会い、岡山に向かうための新幹線代などを受け取ったといいます。
渡された現金は3万円。その後、岡山へ向かいます。岡山では、レンタカーを借りるよう指示され、従います。
その後も、「ルフィ」と名乗る男から、テレグラムの通話やメッセージで指示があり、岡山県内で89歳の住人からキャッシュカードを騙し取り120万円を引き出します。
翌日には、4人の共犯者と共に、山口県内で強盗未遂事件を起こします。
その際、上野被告は運転手役でしたが、現場から逃走後に物損事故を起こし、警察に職務質問をされた際、犯行を認め、逮捕されました。
■「ルフィ」はコードネーム？ “複数人”か
これは、去年11月の出来事です。この時、日本国内に「ルフィ」を名乗る人物がいたことになります。
一方で、渡邉容疑者らは当時、フィリピンの収容所の中にいました。つまり、上野被告の証言が正しいとすれば、「ルフィ」と名乗る人物は複数いて、日本やフィリピンから活動していた可能性があるのです。
上野被告の弁護士は「ルフィ」に関して、本人と次のような話をしたといいます。
白井弁護士：「『ルフィ』という人物から指示を受けたけれども、『ルフィ』というコードネームといいますかね、そういう人物が他にも複数いて、そのうちの1人があなたに対して指示をしたみたいだねという話をしております」
（「グッド！モーニング」2023年2月1日放送分より）
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
