【何が】残された“健康被害”と「高額ローン返済」 歯科矯正めぐり集団提訴
26日、東京・銀座にあった歯科クリニック側に対し、153人が歯科矯正を巡って、あわせて2億円近くの損害賠償を求め提訴しました。被害を訴える女性は“借金も健康被害も残り、この先どうしていいかわからない”と涙を流しました。コロナ禍のマスク生活で、歯の矯正をする人が増えていたなか、何があったのでしょうか。
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26日、泣きながら会見に臨んだ女性が訴えたのは、歯の矯正を巡るトラブルです。
会社員(30代)
「借金も残ったまま、健康被害も残り、この先どうしていいかわからない状態です。歯がきれいになって、健康になって、幸せに暮らしていくつもりでした」
美容業(30代)
「子どもの頃から出っ歯で、歯がコンプレックスだった」
会社員(30代)
「食べ物をかむ時は、しっかりとかむことはできませんし、薄っぺらい物はかみ切れない状況です」
会社員(30代)
「187万円のローンを組まされています。残りが150万円」
被害を訴える153人が歯科クリニックの運営会社などに対し、あわせて2億円近くの損害賠償を求め提訴しました。
訴状などによると、この歯科クリニックは歯科矯正の治療費について、SNSなどで宣伝などをした患者には「モニター報酬」が支払われ、「実質無料になる」とうたい、勧誘を行っていました。
しかし、契約後に報酬の支払いが滞ったというのです。患者には、治療費のための“高額のローン返済”のみが残されたといいます。
弁護士
「医療をモデルとした、いわゆる詐欺的な行為『モニター商法』ですね。『最初から治療するつもりはなかったのでは』と言わざるを得ない」
26日、提訴されたクリニックが入っていた東京・銀座のビルを訪ねると、作業員が解体工事の真っ最中でした。患者の治療も放置されたままだといいます。
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歯並びは「人の印象を左右する」とも言われ、長い時間と費用が掛かることで知られています。
街の人からは「マスクをしているから、その最中に歯並びを直しておこうという友達がいます」という声が聞かれました。
実際、歯の矯正を始めた人は、コロナ禍に入り急増しました。厚生労働省によると、2020年10月の歯科矯正の患者数(初診)は2900人で、2017年の同じ月に比べて約3.6倍となっています。
コロナ禍でマスク生活が当たり前となり、口元を隠せることが歯科矯正を始める要因の1つとも考えられています。
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提訴した会社員(30代)
「怒りと悔しさと悲しさと…後悔しかしてない。なんであの時、私は契約書にサインしちゃったんだろうと」
クリニックの運営会社側は、提訴されたことについてコメントを出していません。
(2023年1月26日放送「news every.」より)
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