【イラン】“徹底弾圧”の証言…「銃で頭と心臓を狙う」「理由もなしに逮捕」

【イラン】“徹底弾圧”の証言…「銃で頭と心臓を狙う」「理由もなしに逮捕」

【イラン】“徹底弾圧”の証言…「銃で頭と心臓を狙う」「理由もなしに逮捕」

イランで国民の不満と怒りが噴出し、現体制への抗議デモなどが続いています。これを受け、著名な俳優が逮捕されたり、サッカー選手が死刑を宣告されたりと、当局は徹底的に弾圧。イラン在住の2人が取材に、死と隣り合わせの実情を証言しました。

■治安部隊が射殺…追悼集会で「死を」

昨年12月29日。イランの首都テヘランで、銃声音が鳴り響きました。この直前に行われていたのは、反体制デモに参加し、治安部隊に射殺された学生の追悼集会でした。そこでは「国の体制 全てに死を」という声が上がっていました。

ヒジャブと呼ばれるスカーフの着用を巡り、拘束されたマフサ・アミニさん(当時22)が死亡したことをきっかけに、国民の不満が噴出。これに対しイラン当局は、現体制に異を唱えるあらゆる動きを徹底的に弾圧しようとしています。

■SNS投稿…「デモ連帯」で俳優逮捕

当局の弾圧は著名人にも及んでいます。

SNS(現在は削除済み)で「女性 命 自由」と投稿したのは、アカデミー賞受賞作品の主演俳優のタラネ・アリドゥスティさん。デモへの連帯を示したとして逮捕されました(4日保釈)。

さらに、デモに参加したプロサッカー選手のアミール・ナスル・アザダニ選手には死刑が宣告されました。見せしめとみられています。

当局による弾圧で、デモ参加者が催涙弾を投げ返す様子が映像に収められています。これまでに18歳未満の子ども64人を含む少なくとも476人が死亡したとする、Iran Human Rightsの調査もあります。

■デモを記録…「全責任はハメネイに」

「ハメネイに死を!」。人々が叫んでいたのは、最高指導者ハメネイ師への抗議でした。

イラン在住のホダ・ヌールさん(仮名)も、「全ての責任は最高指導者であるハメネイにあります」と話します。当局がインターネットを遮断し情報統制を強化するなか、ネットがつながるわずかな時間で取材に答えてくれました。

「(当局は)銃で直接、人々の頭や心臓を狙います。逃げても後ろから撃たれます。44年間も痛みと不快感を受けた国民の怒りは、もう収まらないです。黙っていてはいけないんです。私や国民は、この政権の打倒を求めています」

ホダ・ヌールさんはデモの映像を記録し、ドキュメンタリーにして国内外に伝えようと、命がけで活動しています。

■証言「爆弾や散弾銃で人々が死ぬ」

さらに、イラン在住のアミルさん(仮名)は「外出するのが怖いです。理由もなしに逮捕されます。私自身もデモに参加して逮捕されました」と証言します。逮捕後、大学は退学になり、国内全ての大学への進学も禁止されました。

アミルさん
「当局は爆弾や催涙ガス、散弾銃なども使用しています。それで人々が死ぬのです。今までにたくさんの人々が殺されたので、その人たちのためにも一歩も譲れません」
(2023年1月4日放送「news zero」より)

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