中国・水際対策“大幅緩和”へ 一方で医療は限界…急激な方針転換で混乱続く(2022年12月27日)
中国が“脱ゼロコロナ”に舵を切って3週間になりますが、中国国内では過去最悪の感染爆発が起きています。
こうしたなか、中国政府は、水際対策の大幅な緩和を発表しました。
来月8日から、ペストやコレラ並みに厳しい措置を取ってきた防疫レベルを1段階引き下げ、入国時に求めていた隔離や検査の撤廃を発表しました。
一カ月後には、延べ30億人が移動するとされる春節の大連休が迫り、中国人の海外旅行の再開にも期待が高まります。
中国政府は現在、旅行代理店が代行する日本の観光ビザの申請を凍結しています。「中国人の海外旅行を秩序をもって再開していく」としていますが、具体的な時期などは不透明のままです。
JTB北京・島田克己総経理:27日朝、営業時間が始まってから、中国人の方から「もう日本に行けるようになるのか」「現実的にビザ申請ができるのか」問い合わせが急に増えたという状況。政策の緩和によって爆発的に、今までの分が戻ってくるのではないか。期待以外ない。
市民の反応は…。
市民:前のやり方には無駄があった。この3年間を取り戻したい。
市民:誰でも一度は感染してるし、今回の政策は良いと思う。
ただ、中国は感染爆発の真っ只中で、医療現場はすでに限界を迎えています。
北京の看護師:毎日の勤務は大変です。外来患者は530人以上にもなります。重症化リスクが高い患者ばかりです。
地方都市の状況はさらに深刻です。感染のピークはまだ先とみられています。
本来なら隔離されるはず患者も、受付ロビーや廊下で治療を受けるしかありません。
医療従事者の状況も日に日に悪化しています。
中国のSNS上には看護師が点滴を受けながら患者を診ている様子も投稿されています。
感染爆発で人手が足りず、自ら感染していてもない休めない状況のようです。
医療のひっ迫の影響で亡くなる人も急増しています。
撮影者:「ここに並んでいるのは、すべて火葬待ちの遺体です。本当に想像を絶します。ここにも。どのぐらい待っているのだろう。
重慶市のように「感染しても軽症者は出勤しろ」という方針を打ち出す自治体まで出てきました。
ゼロコロナからの急激な方針転換。混乱はまだ続いています。
中国が水際対策を大幅に緩和する一方で、日本政府は、感染が急拡大する中国本土からの渡航者と、7日以内の渡航歴がある人全てに、30日から入国時の抗原検査を義務付けます。
陽性者はゲノム解析をしたうえで、原則7日間、隔離します。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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