【異変】出荷量激減で値段高騰 回転寿司から“アジの握り”消える

【異変】出荷量激減で値段高騰 回転寿司から“アジの握り”消える

【異変】出荷量激減で値段高騰 回転寿司から“アジの握り”消える

今、一部の回転ずしチェーンでメニューからアジの握りが消える事態となっています。産地を取材すると、天候不良による漁獲量の減少のほかにも、アジ不足の理由がありました。

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その味にほれ込むすしファンも多い大衆魚「アジ」。

神奈川・川崎市にあるすし店では、握りはもちろん、ちらしずしにも使用しています。ところが、このアジが今、高騰しているといいます。

北海寿し 店主・後藤治さん
「いいものは“取り合い”になりますね。必然的に需要と供給のバランスで値段が高くなる」

この店では主に関西でとれたアジを使っていますが、1キロ1500円ほどだった仕入れ値が2500円近くにまで高騰。やむなくアジを使ったメニューを1割ほど値上げしましたが、心配していたのは同業者のことでした。

北海寿し 店主・後藤治さん
「何でも100円で出すのも大変だな、と正直思っています」

その同業者とは、“回転ずし”です。

50代
「いつも行く“回転ずし”。アジ、たまに食べたりするんですけど、この前見たらなかったかなって思います」

おなじみの回転ずしチェーンでは一部で、秋以降、メニューからアジの握りが消えているのです。そのひとつ、「はま寿司」では10月末から真あじの販売を休止してきましたが、12月下旬から全国の店舗で販売を再開します。ただし、数量限定のため、無くなり次第終了するということです。

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全国のすし店にとって深刻なアジ不足。産地では一体何が起きているのでしょうか。

国内のアジの漁獲量の半数ほどを占める長崎県を訪ねました。松浦市の漁港では14日朝、海が荒れているため、船は漁に出ておらず停泊していました。これこそがアジ不足の大きな原因の1つです。

全国のすし店やスーパーに向けアジを出荷している地元の水産加工会社で、話を聞きました。

ウエストジャパンフーヅ・加工部 大坪拓哉係長
「台風やシケ等々で、なかなか水揚げ量がまとまらなかった時期がありまして。特に今年はひどい状況ですね」

日本一の産地・長崎県では、アジの旬を迎える夏に台風の影響などを受け、漁に出られる回数が激減。今年9月のアジの出荷量は、去年の同じ月と比べて半分ほどにまで落ち込んだということです。

【松浦魚市場のアジの出荷量 去年9月4800トン 今年9月2500トン】

ウエストジャパンフーヅ・加工部 大坪拓哉係長
「最盛期の夏場に加工があまりできないという状況でして、一部欠品させてもらってる状態が続いてます」

10月以降は徐々にとれだしたものの、すし店などで好んで使われるサイズに加工したアジの出荷が追いついていないことも、大きな原因です。

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影響は関東の鮮魚店にも及んでいます。千葉市にある鮮魚店で話を聞きました。

80代主婦
「アジって、アジっていうだけに味がいい。いっぱい入って安くなってほしいですよ」

30代母親
「すごく上がった感じしますね。困るよね」

30代父親
「困っちゃいます。手が届きにくくなりますよね」

豊洲市場で取引される長崎県産のアジの価格は、去年の同じ時期と比べて5割近くも高騰。少しでも安く売ろうと、別の産地のアジを仕入れています。

さらに、日本の朝ごはんの定番、アジの干物の仕入れ値も2割ほど上がっているということです。

石毛魚類・みつわ台店 坪井義裕店長
「干物も(仕入れ値が)上がっています。原料(アジ)が少なくなってるから」

食卓にとっても心配な大衆魚アジの不足。産地での出荷の回復が待たれます。
(2022年12月14日放送「news every.」より)

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