【大統領に単独インタビュー】 世界一“男女平等” アイスランドの「秘訣」

【大統領に単独インタビュー】 世界一“男女平等” アイスランドの「秘訣」

【大統領に単独インタビュー】 世界一“男女平等” アイスランドの「秘訣」

13年連続、世界で1番「男女平等」が進む国アイスランド。なぜ、ジェンダー平等先進国になれたのか。パパとして、育休を5回取得した大統領に秘訣を聞いてきました。

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家事や子育て、うまく分担できていますか? 街の人に聞きました。

――家事・育児の分担は?

7歳・12歳を子育て中の父親(40代)
「基本的に全部、こっち(母親)にお願いします」

7歳・12歳を子育て中の母親(40代)
「パート終わって自由時間もなくて…」

共働きで3人を育てた母親(50代)
「ちょっとでも(夫が)やってくれたらなって思うんですけど」

日本ではよく聞く話に、「何十年も前のことのようだ」と驚きを隠せないのは、世界一男女平等な国「アイスランド」のヨハネソン大統領(54)です。

アイスランドはイギリスより北、グリーンランド近くに位置し、美しいオーロラをのぞめる自然豊かな島国。人口約38万人で、男女平等を示すジェンダーギャップ指数が13年連続「世界1位」の男女平等先進国です。

一方、日本のジェンダーギャップ指数は世界146か国中116位。(アメリカ27位 中国102位)日本の常識は世界の非常識なのでしょうか。

   ◇◇◇

国際会議のため来日したアイスランドのヨハネソン大統領に聞きました。大統領の発言は驚きの連続でした。

アイスランド・ヨハネソン大統領(54)
「私は5回、育児休暇をとりました」

鈴江キャスター
「お子さんのおむつを替えたりとか」

ヨハネソン大統領
「えぇ、もちろん」

大統領は5人の子どもがいて、朝は子どもの持ち物をチェックするといいます。

ヨハネソン大統領
「ある日、『水着を忘れているよ』とメールしたんです。『持って行こうか?』と子どもに送ったつもりが、首相に送ってしまいました」

アイスランドでは8割以上の男性が育休をとりますが、日本の男性はようやく1割を超えたところ(厚生労働省調べ 昨年度)。男性の育休取得が進まない中、家庭での女性の負担は大きくなりがちです。

2歳・0歳の子育て中(30代)
「私が家事していたりなんやしてても、(夫は)携帯を見ていたりとか」

子どもが待機児童 育休中(30代)
「(家事・育児の割合は)8対2ぐらいかな(妻:夫)。(仕事に)なかなか復帰できなくて」

妊娠中に仕事を辞めた母親(30代)
「(夫の会社が)やっぱり、1人が育休をとってしまうと仕事が回らない。育児は女性っていう考えがまだ根強いかな」

この現状に大統領は「夫は帰ってリラックスできて、妻は家のことを全てするというのは不公平です。会社にとっても、社員に父親としての義務を果たさせることは、将来的には利益になります」と話します。

しかし、男性の育休をめぐっては、日本には別の問題があります。育休をとっても、4人に1人の男性が家事や育児を2時間以下しかしていないという、いわゆる「とるだけ育休」です。

この調査結果を見た大統領は、「(育休を)ホリデーと見なしているなら、勘違いしている」といいます。

大統領が幼かった頃は、アイスランドはまだ、男性主体の社会だったということです。育児休暇の期間を男女それぞれ半年ずつと定めるなど制度改革を進めてきたことで、女性が男性と同等に働ける環境を整えてきました。(※追加で6週間、男女どちらでも取得可能)

日本ができることとして、大統領があげたのは――

ヨハネソン大統領
「女性が男性と同じように働けるチャンスがあれば、男性がそんなに働かなくてもいいのではないでしょうか? 長い目で見れば、人口の半分がいつも働き過ぎ、半分が平等な機会を与えられないという状況は、社会の痛手になるでしょう」

男女平等が進み、社会全体が恩恵を受けたというアイスランド。日本も常識を変えていく必要があるのかもしれません。
(2022年12月8日放送「news every.」より)

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