【“読書離れ”を食い止める】「図書館風呂」に“10分でわかる”本の要約サービス “耳で聞く”読書も登場
娯楽が多様化し「読書離れ」が叫ばれる中、本を楽しんで読んでもらうためのユニークな取り組みが始まっています。想像がつかない場所や方法で本を読む“読書の新たな形”を取材しました。
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冷たい雨が降る日に駆け込みたくなるスーパー銭湯。何もせず、ただひたすら癒やされるのも良いのですが、読書をして有意義な時間を過ごすも良し。福井・敦賀市にある「越のゆ敦賀店」では、湯船につかりながら本を読むことができます。お風呂で本が読める、その名も「図書館風呂」です。
読書に夢中になって、のぼせないように短時間で読める16冊を厳選し、浴室のそばの本棚に置いています。
越のゆ敦賀店 徳岡一弘店長
「新規のお客さんなんかは(本を)手にとって見ていただく風景も、ちらほら見られます」
実際にお風呂で本を読んできたという女性は――
お風呂で本を読んだ人
「昔は本をよく読んでいたけど、なかなか読む機会が減っているので、こういう機会に読めてよかったと思います」
「最近は携帯の画面ばかり見ていて、久しぶりに本を読んだ」という声も聞かれました。
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動画サイトの普及などを背景に、若い世代を中心に読書離れが進んでいます。最近ではウクライナ情勢や原油高の影響で、本の原料となる紙の価格が高騰しています。出版科学研究所によると、文庫本の2021年の平均価格は732円で、10年で100円以上も上がっているのです。
年々加速する“読書離れ”の解決に一役買いそうなサービスが登場しました。現在、900以上の書店で導入されている「本の要約サービス」です。2次元コードを読み込むと、本の要約を見ることができます。こだわったのは――
フライヤープロモーション担当 井手琢人さん
「我々がよく言うのは“デパ地下の試食”。“10分”という隙間時間で本の情報を入れこむことで、読者人口を増やせるのではないか」
元記者などの専属スタッフが、10分程度で読めるよう、わかりやすく要約しています。書店で本を購入するかどうか、迷った時の判断材料になります。また、ネタバレにならないよう、小説などのストーリーものよりも、ビジネス書などを多く扱っているということです。
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そして、今や読書の方法は目で読むだけではありません。本を耳で聴くサービス「オーディオブック」は、数万冊が用意されています。今年の文芸部門の大賞に選ばれた相沢沙呼さんの作品「medium 霊媒探偵城塚翡翠」も聞くことができます。
記者
「声優さんが「」部分と状況説明で別れているので、物語がイメージしやすいというのを感じます」
登場人物の個性が強いストーリーほど、よりその醍醐味(だいごみ)が発揮されるということです。
オトバンク 久保田裕也社長
「老眼で(本を)読めなくなってきている。(本を)読む機会が減った人にとっては、神がかっているみたいな形で言われることが多くて」
「声」という息吹で作品の魅力を高めることで、読書人口の増加に貢献していきたいと話しています。
(2022年11月23日放送「news every.」より)
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