業者「適法なサービス」 年利は最大3000%『先払い買い取り』めぐり債務者ら集団提訴(2022年11月15日)

業者「適法なサービス」 年利は最大3000%『先払い買い取り』めぐり債務者ら集団提訴(2022年11月15日)

業者「適法なサービス」 年利は最大3000%『先払い買い取り』めぐり債務者ら集団提訴(2022年11月15日)

商品の買い取りを装う「先払い買い取り」商法をめぐって、債務者らが集団提訴しました。

 大阪に住む会社員のAさん(45)。ギャンブル依存脱却のプログラムを受けていましたが、去年9月、パチンコに手を出して貯金が底をつきました。

 (Aさん)
 「出費があって足りないなと思った時に、ふとネットで見かけて申し込んだのがきっかけですね」

 それは『先払い買い取り業者』。業者のホームページには「WEBから申込でき、面倒な手順は一切必要なし!」「当日現金化」と書かれています。

 仕組みはこうです。まず、Aさんは業者に商品券を買い取ってもらうため、“商品券の画像”を業者に送ります。すると、数時間後に業者は買い取り代金として1万円をAさんに先払いします。本来ならAさんは業者に商品券を送らなければならないのですが、実際には商品券は持っていないため、「違約金」として業者に2万円を支払いました。すると、業者はAさんにさらなる取引を持ちかけてきたといいます。

 (Aさん)
 「はじめは1万円借りて、2万円返しますと。そうなると当然お給料は2万円減って苦しくなるんですけど、そうすると業者が『1回ちゃんとやってくれたので、今度は2万円買い取りますよ』と」

 実は、商品券の買い取りというのは建前で、事実上は単なる貸し付けだったというのです。Aさんは7社と同様の取り引きを交わし、計約30万円の借金を抱えこみました。

 (Aさん)
 「雪だるま式に膨らんでいって一気に3か月4か月でどうにもならないような状態なった」

 Aさんら債務者7人は11月15日、「実態は違法なヤミ金で契約は無効」などとして、東京の業者など5社を大阪簡裁などに提訴しました。計約340万円の損害賠償を求めています。

 裁判を支援する「大阪いちょうの会」によりますと、今年1~9月までに全国から122件の相談が寄せられて、年利は最大3000%以上になるといいます。

 (大阪いちょうの会 前田勝範司法書士)
 「(業者は)違約金徴収が目的ですので、同じ方と何度も契約を繰り返して違約金を回収する。ネットだけで、スマホだけで全部完結するというやり方。すぐに現金が入ることがマッチして全国的に被害がすごく多い」

 先払い買い取りは違法なヤミ金なのか。提訴された業者の1つは今年10月にMBSの取材に応じ、「実際に商品の買い取りをしているのでヤミ金ではない」と反論しました。

 (提訴された業者 今年10月)
 「(Qヤミ金だという指摘もあるが?)実際に買い取ったものを見ていただいたらわかるように、うちとしてはそもそもそういうふうに言われる筋合いはないですし、なんなら営業妨害ではないのかと」

 また、違約金については「ヤミ金として利用しようとする客を排除するために設けている」と話しました。

 (提訴された業者 今年10月)
 「(違約金は)抑止力として利用させていただいているんですけど、それでも平気で商品買い取り目的ではない前提で取り引きを行うような悪質なお客さまがいらっしゃるので。(商品を送らない客について)こちらとしては詐欺をやられているのではないかという認識です」

 提訴を受けてこの業者は「適法なサービスであることを今後、裁判で主張する」と話しています。

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