「死刑ハンコ押す地味な役職」葉梨法務大臣 自民党内からも「不愉快な思い」(2022年11月10日)
葉梨康弘法務大臣（63）は「朝、死刑のハンコを押す地味な役職」などとした発言について国会で陳謝し、謝罪しました。辞任はしない考えですが、自民党内からも「不愉快だ」などとする批判が噴出しています。
慌ただしい朝を迎えた総理大臣官邸。
松野官房長官から厳重注意を受けたのは葉梨法務大臣。9日夜、自民党議員のパーティーでの発言が問題視されました。
葉梨康弘法務大臣（9日）：「大体、法務大臣というのは朝、死刑のハンコを押しまして、それで昼のニュースのトップになるのは、そういう時だけという地味な役職なんですが」
死刑のハンコを押す地味な役職…。死刑執行命令の権限を持つ大臣としては不適切な発言でした。
検察幹部：「なぜ、あんな無神経なウケ狙いをしたのか。死刑は重い。おちゃらけに使っては駄目だ」
葉梨法務大臣：「（松野官房）長官の厳しい注意をしっかり受け止めたいと思います」「（Q.発言を撤回されるお考えはない？）今のところそういう考えはありません」
ところが…。
葉梨法務大臣：「撤回をさせて頂きます」
一転して、発言を撤回するドタバタぶり…。
葉梨法務大臣：「職務を軽んじているような印象を与える発言であるとの報道があります。このような印象を与える発言については、おわびを申し上げるとともに撤回をさせて頂きます」
立憲民主党・石川大我議員：「軽率な発言があるなかで法務大臣を続けるというのはもう無理なんじゃないでしょうか？」
葉梨法務大臣：「しっかりと職責を果たしていきたいと思います」
葉梨大臣は辞任を否定。岸田総理大臣も続投させる方針ですが、野党だけでなく与党からも批判の声が上がっています。
自民党・遠藤総務会長：「不用意な発言が政局に大変、混乱を与えると不愉快な思いです」
立憲民主党・安住国対委員長：「こういう軽薄な人間が死刑執行をする刑務官の皆さんのトップに立たせておくわけにはいかないんではないでしょうか？」
旧統一教会問題を巡って辞任した山際前大臣、政治資金を巡って追及されている寺田大臣、そして今回の問題。
政府関係者は、こう本音を漏らします。
政府関係者：「菅原元大臣や河井元大臣のように刑事事件になれば逃れようがないが、寺田さんや葉梨さんレベルで切っていたらきりがない。ドミノ辞任は避けたい」
果たしてドミノ辞任を回避できるのか…。実は葉梨大臣は同じパーティーでの別の発言も撤回、火種を残しています。
「死刑のハンコを押す地味な役職」と発言し、与野党から批判が上がっている葉梨法務大臣。
実は同じパーティーでは、こんな発言も…。
葉梨法務大臣（9日）：「今回は旧統一教会の問題に抱き付かれてしまいまして」
葉梨法務大臣：「（Q.被害者の人たちに抱き付かれてとの発言か？）旧統一教会の問題に抱き付かれてということで。その表現自体もあまり適当ではないと思いましたので謝罪をして撤回をさせて頂いた。そういうことです」
さらに「法務大臣になってもお金は集まりません。票も入りません」とも発言しています。
共産党・小池書記局長：「金を集めるために法務大臣になっているのか。もうこの発言をもって即罷免（ひめん）をすべき」
野党側は葉梨大臣の辞任と岸田総理の任命責任を追及する方針です。
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