“念書”の存在で敗訴…母親が1億8000万円献金 旧統一教会・被害者救済の新法は(2022年11月8日)

“念書”の存在で敗訴…母親が1億8000万円献金 旧統一教会・被害者救済の新法は(2022年11月8日)

“念書”の存在で敗訴…母親が1億8000万円献金 旧統一教会・被害者救済の新法は(2022年11月8日)

岸田総理は8日、公明党の山口代表と会談しました。会談後、今の国会を視野に、旧統一教会の被害者救済に向けた新たな法案を提出すると表明しました。

中野容子さん(仮名・66)は、7年前、母親から旧統一教会の信者になっていたことを告白されました。調べてみると、経営していた果樹園を売るなどして、86歳までに約30回、1億8000万円もの献金をしていたのです。母親は、容子さんの勧めを受け、脱会の意思を伝えたといいます。
母親が元信者の中野容子さん:「母親が、『辞めたい』と言ったら、婦人部長から『お金、返してほしいの』と。信仰の話は一切、出てこないわけです。心の問題が」

容子さんが、教団に返還を求めると、母親のサインが入った“念書”を示されました。
母親が元信者の中野容子さん:「『損害賠償請求しませんよ』『裁判もしないし、裁判じゃない交渉も一切しないとお約束します』と書かれている」

念書を交わした際、教団は動画の撮影も行っていました。母親の隣に座るのは、教団の婦人部長です。
旧統一教会・婦人部長「書類はどちらもご自身の認識に一致して作られたか」
中野さんの母親(当時86):「はい」
旧統一教会・婦人部長:「(娘さんが返金を求める)意向に対してどういう思いを持っていますか」
中野さんの母親(当時86):「絶対にやってもらったら困る」

容子さんは、この念書は、教団が返金させないために母親に書かせたとみています。教団に損害賠償を求め提訴しましたが、“念書”の存在などが理由となり、敗訴。最高裁に上告しています。

教団は取材に対し、「献金は本人が信仰心から自由意思で行ったものであり、不法行為はなかった」としています。

対策が急がれる高額献金などの問題。岸田総理は、新たな法案の柱として、“社会的に許容しがたい悪質な勧誘行為”の禁止、悪質な勧誘で行われた寄付の取り消しや損害賠償請求、子や配偶者に生じた被害の救済の3つを挙げました。さらに、被害者と直接、面会したことも明らかにしました。
岸田総理:「旧統一協会の被害者の方々と、内々にお会いをし、凄惨な経験を、直接、うかがいました。政治家として胸が引き裂かれる想い」

救済法案の策定に向けた与野党の協議では、今後もこの枠組みは維持するといいますが、論点は残っています。
日本維新の会・音喜多駿政調会長:「まさに旧統一教会の手法によって、献金被害にあっている方、その家族を救えるマインドコントロールの定義ができるか、慎重に見ていって、不十分であれば、改善を求めていかないといけない」
立憲民主党・長妻昭政調会長:「問題は中身ですよね。本当に救済のために本気で作っているのか。ほかの与党との関係を気にして、無難なものを作ろうという発表だったら、がっかり」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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