「今後の関係の大きな話を」元徴用工めぐり議論も 麻生副総裁“電撃訪韓”の狙いは(2022年11月2日)
自民党の麻生副総裁が2日、韓国を電撃訪問し、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と非公式の形で会談しました。
韓国政府によりますと、尹大統領が「両国関係の発展を図っていけるよう、民間交流の活性化に貢献してほしい」と呼び掛け、麻生氏は「関係の早急な復元と発展に向けて、引き続き努力する」と応じました。
“戦後最悪”とも言われる、今の日韓関係。懸案となっているのが、元徴用工をめぐる問題です。
日本は、1965年の日韓請求権協定で解決済みとしてきましたが、文在寅(ムン・ジェイン)政権下の2018年、韓国の最高裁は、日本企業に対して賠償を命じる判決を決定。その後、日本企業の資産が差し押さえられ、“現金化”が迫っていました。
しかし、今年5月、尹大統領が新たに就任。日韓関係の改善に向けて強い意欲を見せています。
徴用工の問題についても、日本との外交的な対立を避ける方針を示しました。
尹大統領:「日本が憂慮する主権問題の衝突がなく、債権者に補償が行われる方法を深く考えているところです」
しかし、具体的な解決策をめぐっては、まだ隔たりがあります。
先週行われた、日韓の外務省事務方トップの会談では、賠償金の支払いを、韓国の財団が肩代わりする案が浮上したといいます。
ただ、韓国側が求める日本企業の謝罪について、日本は「難しい」との立場です。
尹大統領との会談に臨んだ、自民党の重鎮・麻生副総裁。先週末には、岸田総理と約2時間、会食。政治家同士で今回の対応を協議したのでしょうか。
外務省からは、自分たちが関与したものではないとの声が聞こえてきます。
外務省幹部:「外務省としては関わっていないので、具体的な交渉に行ったということではない。与党の実力者が直接会って、尹大統領はこんな人なんだと決意を感じ取ることは、我々としても歓迎すべきことだと思う」
岸田政権の狙いは、どこにあるのでしょうか。
テレビ朝日政治部・山本志門官邸キャップ:「麻生氏は周辺に対して『今後の関係の大きな話をしに行く』ともらしていた。かみ合うことになれば、大きな転換点になる可能性も。政府は(麻生氏は)総理の特使ではない、親書もないと一線を画している。日韓関係の改善に向けては、元徴用工の問題をどう解決していくのか。ボールは韓国側にあるという立場は一貫していて、日本側から歩み寄っている姿勢は取りたくない。岸田総理は、今月中旬に予定される一連の国際会議のなかで、尹大統領との日韓首脳会談を初めて行うことも視野に入れている。実現に向けて、日韓双方の首脳が関係改善に向けた本気度を、麻生氏を通じて確かめたいということ」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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