【ピンチ】アラスカ産が“禁漁”影響し…すでに“年末価格”に…
11月から牛乳やヨーグルトなどの乳製品やスナック菓子など、様々な商品が値上げされます。家計には厳しい状況が続きますが、輸入のカニの価格は、需要が高まる年末並まで、すでに高騰しているということです。
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ズワイガニをたっぷりに使ったカニの鍋に、目の前で焼き上げる焼きガニなど、これから旬を迎える“冬の味覚の王様”、カニ。都内のカニ料理専門店では、年末に向け繁忙期を迎えるといいます。しかし、この冬は――
かに地獄 新橋店 村田光広店長
「2、3年前と比べると、カニの仕入れ値が2、3割上がってきてしまってるので、大変になってきました」
料理に使うカニのうちロシア産が8割ほどを占めるといいますが、その仕入れ値が上がっているのです。
かに地獄新橋店 村田光広店長
「円安だったり、ロシアの情勢もあるんですけど」
様々な理由がありますが、輸入カニの価格高騰の背景に実はもう1つ、今年ならではの事情もありました。
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輸入のカニを扱う鮮魚店では、ロシア産のズワイガニやタラバガニの価格を見たお客さんは早くもあきらめムードでした。
30代
「高級で特別感マシマシで、自分では手が出せない。誰かにいただきたい感じ」
60代
「あえて買おうとは思わない。諦めてます」
「石毛魚類」千城台本店 谷中政夫店長
「皆さん大好きなカニなんですが、(昨年比で)今年は2~3割高です。今は高くて、年末価格になってます」
店によると、まだ11月にもかかわらず、輸入のカニの価格はすでに年末並みだというのです。価格高騰の背景にあるのは、アメリカ・アラスカ州で獲れたカニが入ってこないことだといいます。
「石毛魚類」千城台本店 谷中政夫店長
「アメリカが漁しないんですよね。ロシア頼みで全部ロシアに集中しちゃって、品薄で高騰もあるんですよ」
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アラスカ州沖のベーリング海は、世界屈指のカニの猟場として知られています。日本でもアラスカ産は多く使用されていますが、米アラスカ州漁業狩猟局は資源を守るため、今年から来年にかけて行うズワイガニ漁の中止を決定したのです。
水産研究・教育機構 水産資源研究所・底魚資源部 佐久間啓研究員
「資源の量が、過去3年間で約8割くらい減っているということでしたので」
異例の中止の背景について、専門家はベーリング海での危機的な不漁の影響を指摘しました。
水産研究・教育機構 水産資源研究所・底魚資源部 佐久間啓研究員
「ベーリング海は主要な(カニの)産地の1つですので、何らかの影響があると見込まれます」
世界中で他の産地のカニを奪い合う状況が起きるとして、「日本でも年末に向けて、カニ全体の価格がさらに上がる可能性がある」と指摘します。
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“値上げの波”はカニだけにとどまらず、正月を迎えるのに欠かせない食材にも及んでいます。
伊勢音 山崎好茂代表取締役
「かつお節がなくては煮物料理とかはできないし、おいしいお雑煮も作れない」
それは、ダシをとるのになくてはならない「かつお節」です。
伊勢音 山崎好茂代表取締役
「(材料も)やはり1割から1割5分、2割弱くらいに値上げになっているんですけど、それプラス、梱包(こんぽう)費にものすごく負担がかかっているんです」
ウクライナ情勢の影響などで、原料となるカツオの輸送費が高騰したことを受けて、やむなく販売価格を1割ほど上げました。
伊勢音 山崎好茂代表取締役
「本来ですと、この金額でも無理な状況なんですけど、その分はしょうがなく我慢せざるを得ない」
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年末年始の食卓を直撃する“値上げの波”は、しばらく続きそうです。
(2022年11月1日放送「news every.」より)
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