【餃子の王将・社長射殺】“異例”の捜査態勢…工藤会は”全国でも一番危険な組織”
2013年に「餃子の王将」を展開する会社の前社長が射殺された事件では現在、“異例の捜査態勢”がとられています。逮捕された工藤会系暴力団幹部の容疑者は、どのような人物なのでしょうか。
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29日の明け方、京都府警山科署へと移送されたのは、特定危険指定暴力団「工藤会」系の組幹部・田中幸雄容疑者(56)です。2013年、「王将フードサービス」の本社前で、当時の社長・大東隆行さん(当時72)を銃で射殺した殺人などの疑いがもたれています。
凶器の拳銃は見つかっていませんが、捜査関係者によると、現場に残っていた薬きょうや、弾丸の鑑定結果から、国内での流通量は少ないとされている、イタリア製の25口径の自動式拳銃とみられることがわかりました。
2011年、工藤会の関係先とみられる福岡市内のマンションの一室を捜索した際に、同じ型とみられるイタリア製の拳銃が見つかっていて、警察は犯行に使われた拳銃も工藤会と関連があるとみて調べています。
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発生から9年を前に急展開を迎えた事件を巡って、異例の対応が続いています。
別の事件で福岡刑務所に収監されていた田中容疑者は、山科警察署までの600キロ以上の移送の際、襲撃や逃亡のリスクなどを考慮し、防弾ガラスの車両やトイレを備えた特殊車両など9台を使っての移送となりました。
さらに、通常の刑事手続きでは、逮捕後、警察官が容疑者を検察庁に連れて行きますが、今回は、検察官が警察署に出向いて取り調べを行う形になりました。
“異例ずくめ”の対応の理由は、日本で唯一、「特定危険指定暴力団」に指定されている「工藤会」の存在です。
福岡県警で「工藤会」壊滅への指揮を執ってきた、元刑事部長の尾上さんに話を聞きました。
福岡県警OB 尾上芳信元刑事部長
「お金のためなら一般人をもあやめる、全国でも一番危険な組織であると考えています」
田中容疑者は、大学を中退し、一般企業での勤務を経て暴力団に入ったといいます。2008年、大手ゼネコン社員が乗る車に、拳銃を発砲したなどとして、10年後に逮捕されました。しかし、当時、取り調べに対し絶対に口を開かなかったといいます。
福岡県警OB 尾上芳信元刑事部長
「ある意味“任侠道”の本筋を通す被疑者。(京都府警は)最悪、被疑者が供述しない中でも、田中容疑者の起訴に向けて捜査を進めるのだろうと思います」
京都府警は福岡県警と合同捜査本部を設置し、約140人態勢で、事件の全容解明を進める方針です。
(2022年10月31日放送「news every.」より)
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