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深夜のパリに若者集団「パルクール」 照明消灯で“節電活動”…背景に“電力不足”(2022年10月27日)
ロシアからのガス供給が制限され、電力不足が続くフランス。夜も更けた午前1時すぎ、パリの街では、ある方法で節電活動を行う若者たちがいた。
■「パルクール」集団 店の照明消灯
フランス・パリで今、深夜になると“ある集団”が目撃され、話題になっているという。
なぜか壁をよじ登る若者。まさか泥棒か?と思いきや、店の看板の照明を消した。
その後も、次々と店の照明を消していく若者たち。一体、彼らの目的は?SNSに動画を投稿している、ダリさんを取材した。
ON THE SPOT PK・ダリさん:「パルクールが大好きで、そのテクニックも生かせば、電気を消せると思いました」
「パルクール」とは、フランス発祥のスポーツ。軍隊のトレーニングを起源とし、「走る」「跳ぶ」「登る」といった動作をいかに芸術的、かつ、機能的に追求したもので、オリンピックの新競技の候補に上がるほど、注目されているスポーツだ。
■SNSから活動認知 協力する店も増加
ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、冬の電力逼迫(ひっぱく)が見込まれるなか、マクロン大統領は、暖房温度は19℃を推奨するなど、節電を呼び掛けている。
フランスでは以前から、閉店後の店舗の明かりは消すようにという指示が出ていたのだが、それを守っていない店舗が多い。
それに気付いたことに加え、看板の明かりのスイッチが上に付いていて特技を生かせることから、ダリさんらパルクールチームが、消灯活動に乗り出したという。
ダリさん:「フランスでは夜中の1時から朝6時まで消灯するよう義務付けられています。決まりを守ってもらいたいというメッセージです。最近は、明かりが消えているお店が増えましたね。ちゃんとメッセージが伝わっている証拠ですよね。うれしいよ」
SNSなどで活動が注目されるとともに、次第に、その活動が認知され、協力する店も増えてきたという。
街の節電に務めるダリさん。もうすぐ冬がやってくるが、節電しながらどう過すのか?
ダリさん:「体を動かして、寒さに慣れていかないとね」
■“天然ガス価格”巡り…EUが対立
ユニークな方法で節電を呼び掛けているが、エネルギー不足を巡っては、EU(ヨーロッパ連合)加盟国が対立する事態にも発展している。
先週行われたEU首脳会議で、加盟国の地域外から購入する天然ガスの価格に上限を設定すべきか議論されたが、合意に至らなかった。
フランスやイタリアなどEUの過半数が、推進派だ。
上限を設けなければ、EU加盟国や各国の企業の競争が天然ガスの価格を押し上げ、財力の乏しい加盟国や企業がガスを調達できなくなる恐れがあると、価格上限の設定を行うべきだという姿勢を示している。
一方、ドイツやオランダ、デンマークなどは、価格上限に反対の主張をしている。
価格に上限を設けると、生産者がガスをより高い価格で購入してくれる国や会社へと輸出するため、ヨーロッパで必要な分を確保できなくなる事態を懸念していると、ロイター通信は報じている。
■仏独首脳会談で“友好関係”アピール
こうしたなか、日本時間の26日に動きがありました。
天然ガスの価格に上限を設定すべきとするフランスのマクロン大統領と、上限の設定に反対のドイツのショルツ首相が首脳会談を開き、エネルギー問題について協議した。
会談後、ショルツ首相はツイッターに、「マクロン氏と非常に良い重要な対話ができた」と投稿。
フランスの報道官も、「フランスとドイツが協力し合いながら、ヨーロッパを前進させたい。両国の友情は健全だ」とコメントを出し、両国とも友好な関係をアピールした。
しかし、ガス価格上限案については引き続き協議すると、物別れに終わっている。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2022年10月27日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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