【ウクライナ侵攻】ウクライナの親ロシア派勢力「ロシア編入の住民投票」発表
ロシアのプーチン大統領はウクライナでの”軍事作戦”をめぐり、核兵器の使用もちらつかせて「これは脅しではない」と強くけん制しました。一方、ウクライナの親ロシア派勢力は、実効支配するウクライナ東部や南部で「ロシア編入の是非を問う住民投票を行う」と発表しました。
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ロシア プーチン大統領
「国家の領土の一体性が脅かされれば、我々は国家と国民を防衛するためあらゆる手段を講じる。これはただの脅しではない」
日本時間21日午後3時すぎ、プーチン大統領が国民に向けて演説した映像が公開されました。ウクライナでの「軍事作戦」をめぐり、「西側諸国がロシアを破壊しようとしている」と非難し、核兵器の使用もちらつかせて強くけん制しました。
また、プーチン大統領は、ロシアにおける「部分的な動員令」を発令しました。「総動員令」ではありませんが、30万人の予備役が招集される予定で、ロイター通信によると、ロシアが「動員令」を出すのは第二次世界大戦以来となります。
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ウクライナ侵攻から、まもなく7か月が経過します。これに先立ち、親ロシア派が実効支配する東部や南部では20日、大きな動きがありました。
ルハンシク州の親ロシア派勢力指導者
「ロシア編入の住民投票を、我々は8年間待ち続けてきた。いまそれが実現する」
親ロシア派勢力が、「ロシア編入の是非を問う住民投票を行う」と発表したのです。投票実施を発表したのは、ウクライナ東部ドネツク州とルハンシク州、南部のヘルソン州、ザポリージャ州の親ロシア派勢力です。今月23日から27日にかけて行うとしていて、ロシア併合に向けた動きとみられます。
ロシアメディアは、歓迎する市民の声を伝えました。
ルハンシク州の住民
「真のロシア人になれることを誇りに思う」
「本来の国に編入されることを誇りに思います」
ロシアが占領する地域では、すでに先月から、「ロシア人とウクライナ人は同じ民族で離れられない」、「ヘルソンは永遠にロシアと一緒だ」といった、ロシアへの編入を呼びかける看板が増えていました。
ロシアを美化するイメージ作りと“ロシア化”が進められていましたが、ここにきて、ついに住民投票を実行に移す手続きに入ったのです。
ロシアのラブロフ外相は、「地域の人々に決定権がある。一連の動きは、住民がそう望んでいることの表れだ」と住民投票を支持しました。
一方で、ウクライナのゼレンスキー大統領は、「今日はロシアから騒がしいニュースがあった。私たちの立場は、騒音やどこかの発表で変わることはない」と突き放すような態度で一蹴しました。
さらにアメリカのサリバン大統領補佐官は、「投票結果が操られ、ロシアが投票を根拠に、これらの地域を併合しようとしていることはわかっている。アメリカはいかなる結果の主張も絶対に認めない」と強く反発しています。
今月に入り、ウクライナ軍がハルキウ州の一部を電撃的に奪還するなど反転攻勢を強める中、ロシア側はなぜこのタイミングで住民投票に踏み切るのでしょうか。
ロシア政治に詳しい専門家は――
慶応義塾大学・総合政策学部 廣瀬陽子教授
「まさにこれは、ロシアの焦りが反映されていると思われます。このままウクライナ軍の進攻がますます激しくなると、ロシアはどんどん撤退を余儀なくされる可能性があります。(住民投票の時点で)獲得している領域については、そのまま維持できる可能性が高いと考えて、早期に住民投票を行うという暴挙に出たのではないか」
国際社会の非難をよそに強気の姿勢を貫くプーチン大統領ですが、住民投票を強行すれば、国際社会の反発は必至です。
(2022年9月21日放送「news every.」より)
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