“関空ファースト”の立場は継続…神戸空港”国際化”に「反対」の声も 観光地・有馬温泉は『インバウンド』の取り込みに期待(2022年9月20日)
神戸空港に、2030年をめどに国際線を就航させることが決まりました。関西3空港でインバウンドを取り込めるのでしょうか?
神戸・三宮からわずか8kmの海上にある神戸空港。これまで国内線に特化して運用されてきましたが、2006年の開港から16年、大きな転換点を迎えました。9月18日、関空・伊丹・神戸の3つの空港のあり方を話し合う「関西3空港懇談会」で、2030年前後に神戸空港に国際線の定期便を就航させることが決まりました。発着回数を1日最大40回とし、定期便就航に先立ち、大阪・関西万博がある2025年に国際チャーター便を受け入れることでも合意しました。
神戸市にとって“神戸空港国際化”は悲願です。
(神戸市 久元喜造市長 9月20日)
「(神戸空港の)国際化はある意味、悲願でしたので、道筋がつけられたことは大変喜んでいます」
3空港を運営する関西エアポートも国際競争力の強化に向け意気込みます。
(関西エアポート 山谷佳之社長 9月18日)
「大きな目標にむかえて大変うれしいことだと思っています。関西には3つの空港があり、そして5本の滑走路がある。世界の都市に負けていない。これをきちっと運用することが非常に重要である」
しかし、ここに至るまでは決して平坦な道のりではありませんでした。1970年代、伊丹空港の騒音問題を受けて新設が決まったのが関西空港。当初、神戸沖が有力候補地となりましたが当時の神戸市長が騒音問題などで反対し、結果的に泉州沖に今の関空が設置されたいきさつがあります。
その後、神戸市が方針転換し2006年に神戸空港を開港したものの、国際化をめぐっては大阪の一部の自治体などから根強い反発があります。
(大阪府泉佐野市 千代松大耕市長 9月16日)
「将来的には必ず関空の需要を阻害すると考えますので、神戸空港の国際化には大反対です」
そのため今回、関空についても2030年代前半をめどに年間発着回数30万回を目指すとして、あくまで“関空ファースト”との立場は崩していません。
(大阪府 吉村洋文知事)
「関空の需要があぶれる時には、神戸空港を補完的に使いましょうと。将来の国際化をやっていきましょうよと」
ともあれ、約8年後には神戸空港が国際化するというニュースに空港利用者も歓迎ムードです。
(空港の利用者)
「神戸空港の国際線、ぜひ利用したいと思います」
「関西空港は遠いのでね」
「絶対使うと思います。めっちゃうれしい。関空に行くまでの時間で韓国に行ける(ようになる)」
兵庫県はこれまで大阪や京都に比べて外国人訪問者の数が少なく、特に宿泊率が低いことが課題でした。
【コロナ前の訪日外国人旅行者数】
1位:東京都(1410万人)
2位:大阪府(1152万人)
4位:京都府(830万人)
11位:兵庫県(180万人)
しかし、近年、神戸市は三宮の再開発に力を入れ、2028年にはホテル兼市役所の巨大施設の計画に加え、三ノ宮駅北側の大幅リニューアルなど生まれ変わろうとしています。そこに神戸空港から外国人が訪れるとなると、念願の「宿泊滞在される街」に近づくと期待が膨らみます。
また神戸の郊外にある観光地・有馬温泉も、インバウンドを取り込み世界に向けて“有馬温泉”を発信する絶好の機会と捉えています。
(有馬温泉観光協会 金井啓修会長)
「いよいよ有馬温泉も世界に向けてPRする時が来たなと。コロナの3年間、お客さんが非常に少ない状態で、まして海外のお客さんはゼロだったわけですけれども、今後海外のお客さんが来られたときによりプレミアムな温泉リゾート地としてお迎えできればと思っています」
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