1967年 吉田茂元総理の国葬 自宅出発から佐藤総理の弔辞も 一般参列者3万5000人(2022年9月9日)

1967年 吉田茂元総理の国葬 自宅出発から佐藤総理の弔辞も 一般参列者3万5000人(2022年9月9日)

1967年 吉田茂元総理の国葬 自宅出発から佐藤総理の弔辞も 一般参列者3万5000人(2022年9月9日)

27日に実施される、安倍元総理大臣の国葬。戦後、総理大臣経験者の国葬が営まれたのは、吉田茂元総理大臣だけです。
55年前の国葬はどんなものだったのか。国内外からおよそ6000人が参列した葬儀を、当時の映像で振り返ります。
※文中の肩書はいずれも当時

(国立公文書館に収蔵されていた記録映画「故吉田茂国葬儀」を公開の手続きを経て配信)

00:21
神奈川県大磯町の吉田茂元総理大臣の自宅です。
吉田元総理は、1967年10月20日、89歳で亡くなりました。

政府は戦後の復興に尽くした故人の功績を称えるためとして、戦後初めての国葬を決定しました。国葬が営まれたのは、亡くなった11日後、10月31日でした。

01:07
午後0時25分 吉田元総理の遺骨は、喪主の長男・吉田健一氏に抱かれ自宅を出ます。
健一氏のあとには、遺族が続きます。

01:58
自宅前では、海上自衛隊音楽隊が演奏します。

02:10
吉田元総理の遺骨を乗せ、車列が式場の日本武道館に向け出発します。

02:33
自宅の門の前では、地元の人々が見送ります。
吉田元総理が東京へ往復した国道1号線沿いにも、見送る人が絶えず並んでいます。

03:06
そのころ日本武道館には、国内外からの参列者が相次いで到着します。
自民党・福田幹事長、三木外務大臣などの閣僚、アメリカのリッジウェイ将軍夫妻などの姿が見えます。
ビルマやガーナからの特使の姿もあり、参列者はおよそ6000人に上りました。

04:41
吉田元総理の遺骨を乗せた車列は、第三京浜国道を走り、都内に入ろうとしています。

05:16
沿道には多くの人々が集まり、その数は都内だけでも7万人に達したということです。

05:55
車列は国家議事堂周辺を通り、日本武道館に向かいます。

06:05
日本武道館の正面入り口では、国葬儀委員長の佐藤栄作総理大臣が吉田元総理の遺骨の到着を待ちます。

06:35
1000人の陸海空自衛官と、防衛大学の生徒隊が徒列する中、車列が田安門に入ります。

06:57
午後2時、吉田元総理の遺骨が日本武道館に到着しました。

07:09
19発の弔砲が鳴り響く中、吉田元総理の遺骨が車から降ろされます。
航空自衛隊航空音楽隊の演奏の中、佐藤総理の先導で会場へ入っていきます。

08:21
吉田元総理の遺骨が会場に入ります。

09:30
遺骨は、長男・健一氏から佐藤総理へ手渡され、祭壇に向かいます。

10:15
国葬は、すべての国民が参列できるよう、宗教に囚われることなく営まれました。
吉田元総理の遺影は白い菊に囲まれ、祭壇には白い菊と赤いカーネーションで作られた日の丸が飾られています。

11:01
遺骨が祭壇の中央に安置されました。

11:53
皇太子ご夫妻(いまの上皇ご夫妻)がご入場されます。常陸宮ご夫妻、秩父宮妃殿下など、皇族の方々が続きます。

12:57
参列者が揃い、国葬が始まります。
塚原国葬儀副委員長が、開式の辞を述べます。

13:20
午後2時10分、全国一斉に1分間の黙祷が行われます。
会場では参列者が起立して、黙祷します。
会場の外では、鐘が鳴らされ、街頭で黙祷する人々の姿もありました。

15:25
国葬儀委員長の佐藤総理が追悼の辞を述べます。
「いまご霊前に額づき、万感こもごも胸に去来し、言うべき言葉も知りませんが、ここに心から永遠のお別れを申し上げようと思います。

吉田茂先生は、有史以来初めての敗戦、占領軍の進駐という厳しい現実に、国民の大半が民族的誇りと自信を失わんとしたとき、先生は内閣の首班として、この事態を冷静に直視しつつ、その奮起を促し、卓越した指導力によって、すべてを国家再建の一点に結集すべく努められたのであります。

かくて、(昭和)21年には新憲法の交付をみ、祖国再建の礎石が打ち立てられました。また、先生は、戦後最大の課題である、講和問題について、筆舌に尽くしがたい辛苦を重ねられ、昭和26年、サンフランシスコ対日講和会議には、自ら主席全権委員として出席され、対日平和条約の締結によって、国民待望の独立回復を実現されたのであります。

平和条約の締結と我が国の独立回復は、民主主義国家に生まれ変わった新しい日本の門出を意味するもので、戦後史上最大の奇跡であり、不滅の功績であります。

ここに国民各位とともに、偉大な先人の業績を称え、生前の面影を忍びつつ、心からご冥福をお祈りいたします。吉田先生、どうぞ安らかにお眠りください。」

18:33
続いて、石井衆議院議長、重宗参議院議長、横田最高裁判所長官、友人代表・向井忠晴氏の追悼の辞が述べられます。

21:52
皇太子ご夫妻が白い菊を受け取り、献花されます。
続いて常陸宮ご夫妻など皇族の方々が献花されます。

25:02
佐藤総理夫妻に続いて、吉田元総理の長男・健一氏ら遺族が献花します。
衆参両議院議長ら、政党の代表も続きます。

27:55
ここからは国外からの参列者の献花です。
西ドイツ、中国、アメリカなど各国の代表や、吉田元総理と親交のあった参列者です。
それぞれ宗教は異なりますが、日本に合わせた拝礼をする参列者もいます。
特使を派遣した12カ国、在日外交施設73カ国、合わせて137人が参列しました。

31:10
続いては、招待された参列者です。途絶えることなく、次々に白い菊の花を捧げます。

32:20
一方、日本武道館の周辺には一般参列者の長い列ができています。
午後3時半すぎ、一般参列者は1万6000人に達しました。
子どもからお年寄りまでが列をなし、菊の花を受け取り、会場に入ります。

33:50
献花する人々は絶えず続きます。中には涙を拭う人もいます。
一般参列者は、午後7時までに3万5000人に上りました。

35:41
一般参列者が続く中、午後5時15分、吉田元総理の遺骨が退場します。
遺骨は再び、佐藤総理大臣から、吉田元総理の長男・健一氏に手渡されます。
参列者に見送られ、会場を出ます。

37:44
吉田元総理の遺骨は、日本武道館を出て車に乗せられました。
弔砲が鳴る中、会場をあとにしました。

吉田元総理の国葬は、約3時間で終了しました。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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