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【ウクライナ侵攻から半年】最前線で砲弾「家族は守った」
24日、ロシアによるウクライナ侵攻から半年を迎えました。戦争が長期化するなか、多くの若者が戦闘で足を失うなど大きな犠牲を強いられています。
◇◇◇
キーウ近郊にある墓地では、ロシアによる侵攻後、遺体を埋葬する場所が次々とつくられています。できたばかりのお墓が並ぶ一帯では、墓標に名前や、亡くなった場所も書かれていませんでした。番号だけの墓標が、無数に並んでいました。
国連によると、この半年で市民5587人が亡くなりました。ただ、実際の死者ははるかに多いとの見方を示しています。
命はとりとめたものの、戦闘により大きなケガをする若者も増えています。足などを失った兵士がリハビリをうけている施設では、「患者は増える一方だ」といいます。
クリニックの医者
「最近は患者が増えて、定員オーバーになっています」
今年3月、戦闘で左足を失ったビタリーさん(26)は、キーウ近郊の町・ブチャで首都攻防の最前線にいました。
ビタリーさんが、その場所を私たちに案内してくれました。「あそこの階段で負傷しました」。
当時、ビタリーさんが撮影した映像では、爆音が聞こえていました。この直後、すぐそばでさく裂した砲弾によって左足を失いました。
3か月によるリハビリで、ビタリーさんは今、杖なしで歩けるようになりました。
戦闘で左足を失った ビタリーさん(26)
「自分は体の一部を失いましたが、家族を守りました。一番大事なことです」
戦地に赴く若者の多くが、ビタリーさんのように「家族を守るために戦う」と語ります。
その家族は――
戦闘で左足を失った ビタリーさん(26)
「(母親は私の姿を見て)ショックを受けました」
――泣いてましたか?
戦闘で左足を失った ビタリーさん(26)
「もちろん泣きました」
◇◇◇
大切な人が傷ついていくウクライナの今。私たちは、戦場で戦う家族の帰りを待つ女性に話を聞きました。
ビクトリアさんと、その息子のアンドリーウ君(3)が暮らすイルピンの町も、一時、ロシア軍の激しい攻撃にさらされ、自宅にも戦闘の爪痕が残っています。
アンドリーウ君(3)
「この(棚の)ガラスに穴があいているんだ」
部屋の壁にも大きな穴があいています。
――誰がやったの?
アンドリーウ君(3)
「悪い人。ロシア兵だよ。」
自宅の庭には、アンドリーウ君が大切に育てているという、イチゴの実がなっていました。
――誰が(イチゴの実を)うえたの?
アンドリーウ君(3)
「パパ」
アンドリーウくんの父親のマキシムさんは、6月、南部のヘルソン付近に向かいました。それから2か月、母親のビクトリアさんは、心が休まる日は1日もないといいます。
ビクトリアさん
「(夫が前線に向かう時は)2日間、携帯電話の電波も通じず、パニックになってしまいました」
現地は電波の状態が悪いため、夫とは電話ができません。数日に1回、夫から送られてくるメールを待ち続けています。
ビクトリアさん
「(戦地に行った夫からは)『私は大丈夫。愛しているよ。ウクライナは勝つ』『アンドリーウは元気?』(というメッセージが来る)。会いたいからでしょう。メールが来ない時は、夜中まで寝られずに心配しています」
「(夫の帰りを)ずっと待っています。すべてが良くなると信じています」
戦闘が長期化するなか、愛する人々の無事を祈る日々が続いています。
(2022年8月24日放送「news every.」より)
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