「電気代どこまで上がるか怖い」ガス調達費数倍に？電気・ガス代はどうなる？世界エネルギー危機【家計クライシス】｜TBS NEWS DIG
家計を直撃する物価高を掘り下げてお伝えする「家計クライシス」。23日のテーマは値上がりが続く「電気・ガス代」です。今後どうなって行くのでしょうか。
家族4人で都内に暮らす宮本さん一家。
宮本莉帆奈さん
「どんどん物価が上がり続けているのが一番不安なところ」
最近、家計簿アプリで気になる欄が…電気代です。
宮本莉帆奈さん
「極力狭い空間にみんな集まってエアコンの効きを良くしたり。市営の図書館に行ったりとか涼しい所に友人と集まって、家の電気は使わずに節電には努めている」
東京電力の標準家庭のケースで料金はこの1年で約3割値上がり。値上がりした額を合計すると、1年間の負担は前の年に比べて1万3000円アップ。オール電化の宮本家は1年前に比べて合計2万3000円増加しました。
宮本莉帆奈さん
「（節電を）頑張っても結局（料金が）上がっているっていうのは悲しいし痛い。むしろ頑張らなかったらどこまで上がっていってしまっているのかなというのはすごく怖い」
なぜこれほど値上がりするのか。それは世界的なエネルギー不足です。コロナ禍で激減していた需要が反動で急増。エネルギーの9割を輸入に頼る日本は電力確保にかけずり回っています。
23日、私たちのカメラが特別な許可を得て稼働中の火力発電所に入りました。
井上淳司 記者
「運転から45年以上がたつこちら老朽化のため停止していましたが、電力のひっ迫を受け2か月間再稼働しています」
この夏、電力が足りなくなるかもしれない―。千葉県市原市にある「JERA」の姉崎火力発電所は、2か月限定で緊急再稼働中です。最大一般家庭170万世帯分の電力を絞り出しています。
井上淳司 記者
「鉄骨の部分であったり建物の上部部分がさびているのが遠くからでもみてとれます。かなり古い発電所だと言うことがわかります」
45年前に運転を開始した発電所。発電コストもメンテナンスコストも大幅にかさみます。
JERA姉崎火力発電所 齊藤喜浩さん
「コストもかかるし、人も要員配置も配慮しなきゃいけないとその辺はちょっと悩ましいところですけども。需給が厳しい中で絶対停電はさせてはいけないとこういう使命」
さらに深刻なのはガスです。
経産省は22日、ガスがひっ迫すると▼家庭や企業に「節ガス」を要請し、▼「最終手段」として「ガス使用制限令」も検討すると発表。法律になく前代未聞の事態です。
料金負担も右肩上がり。東京ガスでは標準家庭で年間負担が合計9000円増加。
ガス高騰を深刻化させたのが世界1位の天然ガス輸出国ロシアのウクライナ侵攻です。
ロシアの天然ガスにエネルギー調達の1割を依存している東京ガスの内田社長は危機感をあらわにします。
東京ガス 内田高史社長
「エネルギーの供給がストップするかもしれないというようなことは今まで私40数年会社にいますけど一度もそんな不安を覚えたことはありませんので想像だにしていなかった激震です」
供給不安が続く中止まらない電気・ガス代の値上がり。今後のカギを握るのは…
駒田健吾アナウンサー
「あ、いま見えてきました。巨大なプラントです。あれがサハリン2です」
日本の「電気」「ガス」ともに欠かせないLNG=液化天然ガスの1割を依存するサハリン2です。
サハリン2には日本の商社が出資。しかしプーチン大統領は突然、運営をロシアの新会社に移し、日本の権益がずっと守られるのか分からなくなっています。
政府関係者
「契約更新はできてもロシアはいつどんなカードを突然切ってくるか分からない。最悪途絶するリスクも念頭に対応を進める必要がある」
安く買える長期契約が切られ、他から買うことになると調達価格が数倍に跳ね上がるのでは…と心配しています。
東京ガス 内田高史社長
「大変なことになります。ヨーロッパとの取り合いになるかもしれない。調達できたとしても、とんでもなく高いLNGになりますので、多分国富の流出という意味では2兆円3兆円というような流出になる」
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