タリバン実権掌握１年 未だ抑圧される「女性の権利」｜TBS NEWS DIG
イスラム主義組織タリバンがアフガニスタンの実権を握ってから15日で1年です。女性の権利に対する抑圧、そして貧困問題は今もなおくすぶり続けています。
記者
「女性の人権を守るデモが行われるといわれていて、圧倒的に検問の数が多い」
13日、首都カブール市内で撮影された映像です。「パン、仕事、自由」。女性たちが叫びながら行進する中、タリバンの戦闘員がデモを解散させるため、空中に向けて銃を連射し始めました。
JNNの取材チームも念のため、車の陰に隠れます。
カメラマン
「銃構えたりしている」
記者
「あそこの上から見ているんだな」
デモを取材していた海外メディアのほか、地元メディアの女性記者らが一時拘束されました。
拘束された地元メディア記者
「あのデモの主張は間違っていません。私たちには正義の声を世界に、そしてタリバンに伝える責任があります」
タリバンによる実権掌握から1年、女性の権利は未だ抑圧されていて、一部を除き公職への復帰や中等教育の再開は認められていないのが現状です。
Q.カブールには取材を続けている須賀川記者がいます。現地の様子を伝えてください。
私のいるホテルの屋上の裏手にある道路で、タリバンの特殊部隊が展開を始めました。過激派組織イスラム国のテロを警戒してと思われます。ただ比較的、治安は安定しているように感じます。
一方、女性の権利を巡る問題は、あまり前進していません。貧困のあまり次々と命が失われている中、女性の権利の話は優先事項なのかといった声も聞こえてきているんです。
ですが、長年の戦争で男手がない家庭では収入もなく、こうした家庭では困窮の度合いがさらに悪化していて、女性の権利を守ることは命を守ることにも直結するといえるんです。
国連は、470万人の子供や妊娠中または授乳中の女性が急性栄養失調になると警告しています。
また、地元住民が「地獄」と表現する橋の下では数千人が野宿生活を送っていて、そのほとんどが薬物中毒者だということなんです。市民の生活環境、貧困の度合いは極めて劣悪で、国の再建に向けて余りにも多くの障壁があるというふうに感じています。
いまこの瞬間も多くの命が失われているということを認識しながら、今後も現場からお伝えしていきます。
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