「可能性は10%…それでも今こそ核軍縮を前進へ」NPT再検討会議 スラウビネン議長単独インタビュー ロング版|TBS NEWS DIG

「可能性は10%…それでも今こそ核軍縮を前進へ」NPT再検討会議 スラウビネン議長単独インタビュー ロング版|TBS NEWS DIG

「可能性は10%…それでも今こそ核軍縮を前進へ」NPT再検討会議 スラウビネン議長単独インタビュー ロング版|TBS NEWS DIG

ロシアによる軍事侵攻と核の威嚇、米中の対立、そして北朝鮮の核開発など…様々な課題があるなか、8月1日に始まったNPT再検討会議。8日からは「核軍縮」、「核不拡散」、「原子力の平和利用」の3つの主要委員会に分かれて議論が本格化します。難航が予想される会議のかじ取り役を担うスラウビネン議長が単独インタビューに応じ、合意は簡単ではないとした一方、「今だからこそ核軍縮の前進のために議論すべきだ」と訴えました。全会一致の最終文書に合意し、しぼむ核軍縮の機運を反転させることができるか、注目されます。

記者:
NPT再検討会議が何度かの延期を経てようやく開催されます。前回から7年ぶりの開催となりますがこの間、核をめぐる状況はどのように変わりましたか?

NPT再検討会議グスタボ・スラウビネン議長:
私たちは当初から、この会議がとても複雑で困難なものになるであろうことは知っていました。過去7年間に、世界では様々なことが起こりました。特に今年2月のウクライナでの戦争が理由です。ウクライナでの戦争は、私たちの交渉に影を落とすでしょう。NPT再検討会議をめぐっては、多くの重要な課題があります。核軍縮の停滞や、地域的な問題、例えば北朝鮮に関することなどです。これらは、ウクライナでの戦争より前から表面化していたものです。それ単体でもとても複雑な課題でありますが対処していかなければなりません。また国際的な環境は、多くの意味で過去7年間で劇的に変化しました。

記者:
核戦争のリスク、核の使用の脅威をどのように捉えていますか?

NPT再検討会議グスタボ・スラウビネン議長:
ウクライナで起きている戦争、そしてロシアが核兵器を使うかもしれないという脅威。さらに紛争の激化が核戦争を引き起こすかもしれないという状況は核兵器が核保有国の戦略の中で依然重要だという事実を改めて呼び起こしました。それゆえに人類を危険にさらすということもです。我々は冷戦の終結以降このジレンマに直面してきませんでした。私たちより前の世代の人々は核兵器の脅威をより知っていたのです。なぜならば冷戦の危機的状況にあり核兵器が意図的にもしくは偶発的に使われる差し迫った状況だったからです。しかし、冷戦後、私たちの社会は核の危険性を忘れてしまったかのようです。ウクライナで起きている戦争はこの問題を改めて提起しているのです。より多くの人が核兵器の危険性を意識すれば核廃絶への機運を高められます。少なくとも、核保有国が核兵器の削減に取り組み始めるだろうと信じています。

記者:
この会議はもともとロシアによる侵攻前の1月上旬から予定されていました。ロシアによる侵攻によって今回の会議で合意を形成するのは難しくなったと考えますか?

NPT再検討会議グスタボ・スラウビネン議長:
ロシアの軍事侵攻前から先行きは厳しいものでしたがそれ(合意)はさらに複雑で困難なものになりました。ウクライナとロシアの間だけでなくヨーロッパとロシア、そしてアメリカとロシアの間での敵意の高まりは状況を困難にしています。ただ、ロシアによる軍事侵攻が最終合意をより複雑で難しいものにしたと同時に、この戦争は核兵器の脅威を改めて強調する機会になり、さらに核保有国が第6条のもとで定められた義務をより果たし、核軍縮に向けて前進していく必要性を強調したのだと思います。

記者:
北朝鮮の問題やウクライナでの戦争などいくつか課題を挙げました。ほかにも核保有国の5か国の間での課題、特に中国とアメリカの対立についてはどのように考えますか?

NPT再検討会議グスタボ・スラウビネン議長:
これもまた、過去のNPT再検討会議のときには見られなかった新たな動きです。中国はNPTの重要な締約国です。核保有国でもありますが残念なことにアメリカとの関係は良くありません。それは様々な要因によるものですがアメリカの視点からすれば中国は核における分野でより重要かつ積極的な役割を果たさなければならないとみています。とりわけ、例えば中国の核兵器に関する計画の透明性やその他多くの事柄に関してがありますが、中国としては、アメリカもルールに従って行動していないとお互いに不満を持っているわけです。ただ、NPT再検討会議では条約の重要性と信頼を守っていくためにも、お互いが同じ目的をもって前に進めていくことを期待したいです。さらに中国にとってはとても重要な新しい要素が1つあります。それはオーストラリア、英国、アメリカの間でオーストラリアに原子力潜水艦を供与するAUKUSでの合意です。これについては中国が公然と反対しています。中国は、その合意が実施されれば、NPTの条約の文言に反するだけでなく、条約の掲げる精神に反するものだと考えていて再検討会議でも問題提起するはずです。

記者:
核兵器禁止条約の初会合後、NPT再検討会議です。核兵器禁止条約については、どの程度議論されるべきでしょうか?

NPT再検討会議グスタボ・スラウビネン議長:
先ほど、この7年のうちに多くのことが変わったと言いましたが核兵器禁止条約についても、新しい展開の1つです。核兵器禁止…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20220809-6033681)

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