【中国】ペロシ氏台湾訪問に“報復” 「前例のない大規模」軍事演習始まる
中国がアメリカのペロシ下院議長の台湾訪問への報復と位置づける大規模な軍事演習が、台湾周辺で始まりました。1990年代にも、中国により台湾情勢が緊迫化した「台湾海峡危機」が発生しました。しかし、今回は当時とは大きな違いがあります。
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台湾に最も近い中国・福建省の平潭島。平穏な日常の風景が一変したのが日本時間4日午後2時ごろです。中国が報復と位置づける大規模軍事演習が始まったのです。
アメリカのペロシ下院議長の台湾訪問に猛反発した中国は、台湾周辺での軍の演習などとする映像を立て続けに公開しています。
台湾国防部は4日、中国軍が台湾周辺海域に複数の弾道ミサイルを発射したと発表しました。
また、台湾メディアは、演習で中国軍が極超音速ミサイル「DF17」を発射する可能性があり、一連のミサイルは台湾上空を通過するとの台湾軍の予測を伝えています。
台湾軍も4日、各地で中国軍を想定した演習を行っていました。
実は、1990年代にも、中国により台湾情勢が緊迫化したことがありました。台湾初の総統選挙実施などに反発した中国が、95年から96年にかけてミサイル発射などを行った「台湾海峡危機」。このときはアメリカ軍が原子力空母を台湾海峡に派遣し、事態収束に導いたとされています。
しかし、今回は当時とは大きな違いがあります。
前回の台湾海峡危機の際に中国軍が設定した区域は中国大陸側が中心だったのに比べ、今回の軍事演習の区域は台湾を取り囲むように設定され、より大規模になっています。
「台湾海峡危機」から約30年の間に、国産空母の建造など軍事力強化に力を注いできた中国。中国メディアは、専門家の話として今回の軍事演習を「前例のない大規模なものだ」と報じています。
中国市民に話を聞くと…
平潭島を訪れた人
「(演習は)ちょっと怖いです。でも、やはり祖国を信じます」
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演習の余波は日本にも及んでいます。
台湾から約110キロ離れた沖縄・与那国島の漁協によると、注意をよびかけているものの、4日は5隻が漁に出ているということです。漁場と最も近い演習の区域までは約30キロで、与那国島の漁協は「緊張感を持って見守るしかない」としています。
在日アメリカ軍の嘉手納基地では4日、偵察機や哨戒機、戦闘機などが次々と離陸し南へ向かいました。中国軍の演習に関連した動きの可能性があります。
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中国の反発を押し切り台湾を訪問したペロシ氏は4日夜、韓国から日本に到着します。
(2022年8月4日放送)
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