発熱者に薬局で検査キット無料配布は『薬局側の感染リスク増』防護服着て対応必要に?(2022年7月29日)

発熱者に薬局で検査キット無料配布は『薬局側の感染リスク増』防護服着て対応必要に?(2022年7月29日)

発熱者に薬局で検査キット無料配布は『薬局側の感染リスク増』防護服着て対応必要に?(2022年7月29日)

感染が急拡大する新型コロナウイルス。政府は発熱外来のひっ迫を解消するため、薬局などにコロナの抗原検査キットを無料配布するとしています。しかし、取材を進めると新たな課題も浮かび上がってきました。

 兵庫県尼崎市の薬局・フルール薬局尼崎店では、7月29日も朝から抗原検査キットを求める人が訪れていました。薬局では『症状がない無症状者』に検査キットを販売しています。これまで購入制限は行っていませんでしたが、買い求める人が殺到しているため、今週から“1人2セットまで”に制限しています。現在の在庫は150セットほど。このペースでは週末にも在庫がなくなる見込みですが、新たに発注しても入荷は1週間後だといいます。

 (フルール薬局尼崎店・薬剤師 平石稜人さん)
 「連休明け(7月19日)から一気に増えて、一日で多いときだと50~60のキット数が出るようになりましたね。検査・購入を希望される方はやはり不安を抱えていると思います。在庫がないとお断りしないといけなくなるので非常に心苦しいです」

 抗原検査キットが不足する中、政府はキットをまとめて買い上げ、薬局や医療機関などで無料で配布する取り組みを始めました。配布の目的は発熱外来のひっ迫解消です。配布する対象は『発熱などの症状がある人』ということもあり、薬局側は有症状者との接触は感染のリスクが伴うと心配します。

 (フルール薬局尼崎店・薬剤師 平石稜人さん)
 「スタッフの感染リスクも増えるので、発熱外来で対応しているように防護服を着るとかそういった対応も、もしうちで無料で配るとなれば必要になってくるかなと考えています」

 一方の発熱外来。京都市にある羽束師クリニックには、コロナ感染を疑う患者が殺到しています。

 (羽束師クリニック 小川一也院長)
 「陽性率は100%です。尋常じゃないです」

 7月29日午前に検査した患者は27人全員が陽性でした。そんな中、7月29日には50回分の検査キットが届きました。京都府が国に先駆けて京都府内920の医療機関を通して患者にキットを配り、患者に自分で検査してもらおう、というものです。ただ、院長は「無料配布は発熱外来のひっ迫解消にはならないのではないか」と話します。

 (羽束師クリニック 小川一也院長)
 「足りないといわれているキットをいただけるのは非常にありがたいが、お配りして、また来ていただいて、というふうにするのはうちの負担軽減にはまったくならない。その場で検査したほうが僕はいいと思います」

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