自分にしか奏でられない“音” 世界を魅了するピアニスト・藤田真央が生演奏【報道ステーション】(2023年12月25日)
日本を代表するピアニスト・藤田真央さん(25)。今年は、ドイツのクラシック音楽界で最も権威のあるレコード賞も受賞し、その名をさらに世界に轟かせました。
藤田さんが、旅した国は20カ国。コンサートや、その合間に重ねたたくさんの人々との出会いが、藤田さんの音をさらに豊かにしてくれました。だからこそ記したかった旅の記憶があります。
今月、出版した著書のタイトルは『指先から旅をする』。旅によって研ぎまされた音楽の本質について綴っています。
その旅の一方で、世界情勢は刻一刻と悪化。こんな声を掛けられたことがありました。
『指先から旅をする』から:「昔から『いつも明るく浮ついた音だ』と評されてきました。『きみは真に悲しい経験をしていないからだ』と。たしかにわたしはこれまで、幸せなことに、生きるか死ぬかの争いの渦中に身を置いたこともなければ、飢えや渇きに遭った経験もありません。それでも、思うのです。明るい音楽と悲しい音楽、どちらがより高尚で真剣かなんて区別は、ナンセンスではないでしょうか。わたしはわたしにしか奏でられない、明るい音を追求したいと思うのです」
■世界を旅してきた藤田さんが、クリスマスの夜に特別生演奏。
麻布台ヒルズに来年2月9日オープンする『チームラボボーダレス』からお届けします。
曲は、モーツァルト作曲『ピアノソナタ第16番ハ長調K.545 第1楽章』です。
※藤田さんに聞きます。
Q.クリスマスの夜の特別生演奏。弾き終えていかがでしたか。
藤田真央さん:いろいろ世界を旅してきましたが、こんな素敵な場所で演奏させていただくのは初めてで、このような素晴らしいプレゼントをいただけたのは初めてです。
Q.即興は入っていましたか。
藤田真央さん:そうですね。ここに素晴らしい数々の装飾があるので、集中しながら、次の音をどうしようと、自然と装飾を音楽の中に加えたりしました。
Q.今後、追求していきたい自分にしか奏でられない明るい音というのは、どういう音ですか。
藤田真央さん:どうでしょうね。私自身、一日を丁寧に、音を探って、勉強しているのですけれども、結局は、自分の内に出るものというのは、明るい音だったりするので、個性でもあるのかなと。私が持っている音というのが、自然と明るい音であったりしますね。
Q.これからの旅で、自分の音楽、音に、どのような影響が出てくるかなと想像していますか。
藤田真央さん:どうでしょう。私は今まで、たくさんの国に行ったのですが、幸か不幸か、どこも私の音楽は変えていないのです。不思議とどこへ行っても受け入れられる。だから、私のスタンスは、今でも楽譜を忠実に、音を紡ぎながらということを意識して、これからも頑張っていきたいなと思います。
Q.旅の途中に報道ステーションに寄ってください。
藤田真央さん:ぜひ、ぜひ。いつでも寄ります。
ありがとうございました。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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