【ネットカフェ“立てこもり”】「人生に嫌気」なぜ… 記者への手紙に「更生しようと」

【ネットカフェ“立てこもり”】「人生に嫌気」なぜ… 記者への手紙に「更生しようと」

21日夜、埼玉・川越市のインターネットカフェで、男が女性従業員を人質にとり、立てこもる事件がありました。男は10年前にも愛知県で立てこもり事件を起こしていて、服役中に記者に宛てた手紙では、更生への意欲をみせていました。

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21日夜、埼玉・川越市のインターネットカフェで男が女性従業員を人質にとり、立てこもりました。立てこもりから約3時間半が過ぎた22日午前1時半ごろ、現場にはヘルメットや盾を持つ捜査員もおり、救急車がスタンバイするなど物々しい雰囲気に包まれていました。発生から約5時間後の午前3時過ぎ、警察が突入を図ったとみられ、一気に慌ただしい様子になりました。

逮捕監禁の疑いで現行犯逮捕されたのは、長久保浩二容疑者（42）です。警察署に移送される車内では、身を乗り出そうとして捜査員に制される場面もありました。そして、両脇を抱えられて車から降ろされると、カメラの方に向かって笑みを浮かべ、警察署に入っていきました。

長久保容疑者は調べに対し、「自分の人生に嫌気がさした」と容疑を認めています。

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現場は川越市にあるネットカフェ「快活CLUB　川越脇田新町店」で、捜査関係者によると、長久保容疑者が立てこもったのは30部屋ある「鍵付き完全個室エリア」で、壁際にある部屋です。

警察によると、21日午後10時過ぎ、客として入店した長久保容疑者は、アルバイトの女性従業員（22）が清掃をしていた個室ブースに侵入し、女性を人質にとって立てこもった疑いがもたれています。部屋は2畳ほどの広さでした。

「快活CLUB」のホームページでは、鍵付きの個室ブースは完全に外とは遮断され、出入り口の鍵は電子キーで開けるタイプと紹介されています。

長久保容疑者はカッターナイフを所持していて、駆けつけた警察は個室のインターホンを通じてやりとりをしていましたが、「警察うるせえ、この野郎」「近づくと女を殺すぞ」といった言葉を発したといいます。立てこもり中、興奮した状態に陥ることもあり、一切、説得に応じなかったということです。

当時、立てこもりがあった個室のすぐ近くにいた客に話を聞くことができました。

近くの個室にいた当時の利用客
「インターホンが最初鳴って、『川越警察ですけど』と。ドア開けたら警察官が何人かいて、（警察官が）『とりあえず会計済ませて、退出お願いします』と」

そこで初めて、立てこもり事件が起きたことに気づいたといいます。

近くの個室にいた当時の利用客
「『不審物か何かかな』と話をちょろっと言ったら、『立てこもりです』『静かに静かに』と」

──とにかく静かにと？

近くの個室にいた当時の利用客
「（警察官が）手でハンドサインみたいな感じで」

──外に出た時の店内の状況は？

近くの個室にいた当時の利用客
「いたって静かですね」

その後、突入した警察が長久保容疑者を確保しました。

確保の様子を目撃した近所の住民
「車に乗り込む直前に少し見えたんですけど、捕まったとは思えないようなうきうきしているというか、テンションが高そうな歩き方しているなって、途中でたしなめられるような。少し捜査員の方が近づいたような感じはありました」

人質となった女性は無事保護され、軽傷でした。

捜査関係者によると、長久保容疑者は今月に入ってから埼玉県内の他の系列店舗を複数回、利用していたとみられることがわかりました。事件前から店の構造を把握していた可能性があるといいます。

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実は、長久保容疑者が立てこもり事件で逮捕されたのは、これが初めてではありませんでした。

2012年、長久保容疑者（当時32）は、愛知・豊川市の信用金庫で客らを人質にとった立てこもり事件を起こしていました。動機については「目立ちたかった」などと語っていたといいます。

その後の裁判で懲役9年の判決を言い渡され、長久保容疑者は服役していました。服役中の2018年の夏に記者に宛てた手紙では、更生への意欲をつづっていました。

「私の方は殺人的異常気象で死にそうですが、今のところ生きています」
「孤独のまま社会を恨んで憎んで復讐を目的として出所することだって可能でした。しかし、色々な出会いとつながりを通して更生しようと決めました」

一方で、持論を展開し、刑務所内での生活に対する不満を記していました。

「受刑者は厳しくされればされる程更生から遠ざかって行きます。それは自己否定感を強く感じるからです」
「社会は刑務所に対して受刑者の更生を期待しています。しかし、刑務所はそう考えてはいません。更生より管理と処罰を重視しています」

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捜査関係者によると、長久保容疑者が刑務所を出たのは今年4月頭。つまり、1度目の立てこもり事件の刑期を終え、3か月もたたないうちに2度目の立てこもり事件を起こしたことになります。

今回、逮捕後の調べに対し長久保容疑者は「事件を起こし刑務所に戻りたかった」と供述しているといい、捜査関係者は今回の事件について「目立ちたい」というより、“自暴自棄”になっての犯行とみています。
(2022年6月22日放送「news zero 」より）

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