ウクライナ側でも士気低下か 激戦の東部で“異変”(2022年6月20日)

ウクライナ側でも士気低下か 激戦の東部で“異変”(2022年6月20日)

ウクライナ側でも士気低下か 激戦の東部で“異変”(2022年6月20日)

 激戦が続くウクライナ東部に異変が起きています。ロシア軍だけでなく、ウクライナ側にも脱走する兵士が出るなど士気の低下がみられているというのです。戦場で今、何が起きているのでしょうか。

 19日、ロシア国防省は巡航ミサイル「カリブル」でウクライナ東部にある軍の司令部を攻撃、作戦会議中だった将校ら50人以上を殺害したと発表しました。

 東部ではルハンシク州のリシチャンシク付近でウクライナ軍の小隊が装備を置いて逃げ出すなど、士気が低下しているとロシア軍の優勢ぶりをアピールしています。

 ロシアのウクライナ侵攻から4カ月近く・・・。

 イギリス国防省は両軍の士気が低下していると分析しました。

 イギリス国防省のツイッター:「ウクライナ軍はここ数週間、兵士の脱走に苦しんでいるようだ。一方、ロシア軍も相変わらず士気低下の問題が続いているようだ」

 ロシア軍では、部隊全体が命令を拒否するケースもあるといいます。

 専門家は士気低下の原因について、こう指摘します。

 防衛研究所・高橋杉雄氏:「ウクライナ側はドンバス地方での戦いが基本的に火力戦になっている。火力戦というのは、ひたすらロシアに撃たれ続ける状況が続く。一方的に撃たれ続ければ士気は下がる」

 海外メディアによりますと、長期化の影響はウクライナに武器などを提供する欧米諸国にも出ているといいます。

 ブルームバーグ:「重要な注意事項がいくつかある。その一つは“ゼレンスキー疲れ”だ。自国の経済力が弱くなっていき、自国防衛のための武器が減っていくという時期にあっては、西側のリーダーたちがキーウからの資金や武器の要求にうんざりしてしまう」

 一方で、イギリスのジョンソン首相が“ウクライナ疲れ”に反対し、警告を発したと海外メディアは報じています。

 防衛研究所・高橋杉雄氏:「実際、疲れはあると思う。どんなに支援しても『もっとくれ、もっとくれ』と言われるわけで、出している方としては『またかよ』という心理になりやすい。『これからどのくらい支援すればいいんだろう』と心理的に思うのが自然なので、そういう流れで若干の“ウクライナ疲れ”“ゼレンスキー疲れ”と感じるような精神状態が広がっている」

 また、今後さらに長期化した場合、状況が変わってくる可能性があるといいます。

 防衛研究所・高橋杉雄氏:「先ほどの“ゼレンスキー疲れ”“ウクライナ疲れ”といったものがウクライナに対する支援を細らせていく可能性がある。ロシアにしてみれば一番良いシナリオが恐らく長期化。長期化させて国際社会の支援が細っていくのを待つ」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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