【フィリピン政府】「バナナの値上げを」異例の要請 現地を取材
物価の優等生「バナナ」をめぐり、8日に異例の申し入れがありました。フィリピン政府が小売業界などに対して、バナナの値上げに協力を求める要請をしました。食卓への影響はどうなるのでしょうか?
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東京・中央区のイマノフルーツファクトリーに並んでいたのは、旬の果物がたっぷり詰まったフルーツサンドに、彩り鮮やかに盛り付けられたプリン ア・ラモードです。どちらにも使われていたのがバナナです。
イマノフルーツファクトリー 今野喜彦店長
「主にフィリピン産のバナナを使ってます。さっぱりしてますし、甘みもありますし、使い勝手はいい」
しかし、今は“値上げの波”が押し寄せています。
イマノフルーツファクトリー 今野喜彦店長
「(仕入れ値は)前年からすると2割くらい上がっている。負担にはなる」
それでも、商品の価格はできるだけ据え置きで続けていくということです。
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スーパーでも、店頭に並ぶバナナはフィリピン産です。ここでも仕入れ値は1.5倍ほどに上がっているといいます。
マルサン青果部・チーフ 板清英樹さん
「お客さんの支持を得られる商品なので、価格を安めにしているのが現状です」
価格は抑えめで販売しています。特売の日には、仕入れ値とほとんど変わらない値段で販売することもあるということです。
お客さん
「1週間に2回か3回(買う)。1日2本くらい食べちゃうから」
お客さん
「皮をむいて食べるのが大好き」
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仕入れ値が上がっても、店頭価格が大きく変わらないバナナ。実は店頭価格は20年以上、1キロ200円から250円で推移していて、卵と並び“物価の優等生”と呼ばれています。
しかし、そこに“異例”の申し入れがありました。
8日に会見を行ったのは、フィリピンの駐日大使です。
駐日フィリピン共和国大使 ホセ・カスティリョ・ラウレル5世
「バナナ農家に希望ある将来へのチャンスを与えていただきたい」
日本の小売業界などに対し、バナナを値上げして適切な価格で販売するよう求めたのです。フィリピン政府がこうしたお願いを日本にするのは初めてのことです。なぜ“値上げ”を要請することになったのでしょうか。
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私たちはフィリピン南部にあるダバオのバナナ農園を訪れました。そこには青々としたバナナが所狭しと並んでいました。
日本における2021年の1年間のバナナの輸入量は、フルーツの中で最多となるおよそ110万トンでした。そのうち、フィリピン産のバナナがおよそ8割を占めています。
しかし、今、産地では…
ダバオ当局者
「バナナの生産量が減少しました。その一方で燃料などのコストが上がりました。私たちにはどうすることもできないのです」
コロナ禍やウクライナ情勢の影響で高騰している生産コストが、農家に大きくのしかかる事態になっていました。バナナを育てても利益がでない状態になっているというのです。
農家を守るために行われた“値上げ”のお願い。
駐日フィリピン共和国大使 ホセ・カスティリョ・ラウレル5世
「本日は日本におけるフィリピン産バナナの歴史を考える上で、大きな節目になると考えている」
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埼玉・吉川市のスーパーマルサンでは…
マルサン青果部・チーフ 板清英樹さん
「できるだけお客さまに喜んでいただきたいので、努力しなきゃいけない」
気になる食卓への影響。
お客さん
「他も上がっているからしょうがないよね。体が欲すれば、どんなに高くても買いますよ」
お客さん
「バナナの代わりになる果物があるなら、他を買っちゃうかもしれない」
“物価の優等生”への異例の申し入れ。庶民の味方にも値上げの波が押し寄せています。
(2022年6月8日放送「news every.」より)
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