“10億円詐欺”容疑者の背中に「勾留」の文字 インドネシア当局が設定した会見の詳細(2022年6月8日)

“10億円詐欺”容疑者の背中に「勾留」の文字 インドネシア当局が設定した会見の詳細(2022年6月8日)

“10億円詐欺”容疑者の背中に「勾留」の文字 インドネシア当局が設定した会見の詳細(2022年6月8日)

 およそ10億円に上る持続化給付金詐欺事件で、主犯格の男が逃亡先のインドネシアで逮捕されました。背中にインドネシア語で「勾留」と書かれた服を着た容疑者。その容疑者も同席した会見をすべてご覧頂きます。

 日本では見られない、異例の会見です。肩に手をかけられ連れて来られた男。オレンジの服で後ろ向きにうつむくまま記者会見が始まります。

 この男こそ、谷口光弘容疑者(47)です。背中には“勾留”の文字が記されていました。

 入国管理局の会見:「会見にお越しくださいました関係者の皆様方、こんにちわ」

 日本時間の8日午後2時半すぎ、容疑者同席のもと、入国管理局の会見が行われました。

 入国管理局の会見:「ご出席いただいている皆様、並び、在インドネシア日本大使館、警察関係者、ランプン空港関係当局幹部の方々に敬意申し上げます。当会見にお越しいただいた関係各方面の方々にご報告申し上げます。きのう6月7日、日本大使館から、入管・警察・国防当局の代表にお越し頂きました。捜索対象の日本国籍被疑者、氏名のイニシャルはMTです。被疑者が所有する旅券は日本政府によってすでに無効化されています。在インドネシア日本大使館の代表者はその際、日本国籍の被疑者はランプンに滞在しているとの見方を示しました。その報告を受けて、我々入管当局は担当職員に対し、速やかにその被疑者所在を調べる、捜索するように指示を出しました。2022年6月7日火曜日22時30分、西インドネシア時間に我々は日本国籍被疑者の身柄が関係当局によって確保されたとの通報を受理しました。ランプン州警察の所轄分署を通じて、その身柄をジャカルタに移送するとの報告がありました。被疑者の日本送還に向けた日本大使館との調整を入管当局が行いました。会見にお越しの皆様へのご報告は以上です」

 入国管理局の会見:「質問があればお答えします」「(Q.日本国籍被疑者のインドネシア滞在期間について)被疑者のインドネシア滞在は1年半ほどで、暫時居住許可証を所持」「(Q.被疑者はいつからどのくらいの期間、ランプンに滞在していたのか)後ほどお答えしたいと思う。国家警察の担当者が説明します」「皆様にご説明します。関係部署による捜査結果報告、潜伏場所周辺地域住民からの通報では、外国籍被疑者の最終潜伏地域滞在期間は1週間ほどであり、地域住民に対し、投資話を持ち掛けていたとのこと。特に漁業・水産分野の投資話です。被疑者は住民との対話の後に入管当局より被疑者の旅券は無効化されているとの報告が上がり、その報告を受けて、我々は事案処理特別班を即座に組織しました。その後、外国籍被疑者の身柄の確保に成功しました。その日に入国管理局に引き渡しました」

 身柄はどうなるのでしょうか。

 入国管理局の会見:「(Q.いつ強制送還する予定か?)強制送還については日本大使館と調整する」「(Q.あすとか時期は決まっていないと?)まだ決まっていない。日本大使館と調整する」「(Q.一番早くていつか?)日時やその準備などについて全部、日本大使館と調整する。入国管理局としてはできる限り早く送還するようにする。当然、日本大使館と調整する。とにかくできる限り早くする。しかし、いつになるか今のところは決まっていない。谷口容疑者の送還が決まったら皆さんにできる限り早く伝えるようにする」

 新たに分かったこともあります。

 入国管理局の会見:「(Q.ジャカルタに住んでいたのですか?)ジャカルタに住んでいた」「(Q.ランプンには1、2週間しかいなかったのか?)約1週間だ」「(Q.会社の名前は何?)会社名はまだ分かっていない。これから捜査する」「(Q.日本側は調整のためにどれくらい滞在する予定か?)日本側とインドネシア側で調整する。インドネシア当局と調整しなければならない」「(Q.送還される時に取材できるか?)もちろん日本大使館から追って情報を共有させて頂く」

 谷口容疑者同席のもと、およそ10分で会見は終わります。

 現場は騒然としていました。警察官や日本大使館の関係者らが行き交う建物。インドネシアにある入国管理局です。光弘容疑者が、この中にいるとみられます。

 逮捕当時の状況も分かってきました。

 8日、異例の容疑者同席という会見で姿を見せた谷口光弘容疑者。逮捕された当時の様子を現地メディアが伝えています。

 地元メディア「detik」:「警察は日本の警察が行方を追っていた谷口光弘容疑者を拘束した。ランプン州のある学校教員宅にいた。2022年5月4日から滞在していたという。常にいたわけではなく、週1、2回という感じだったようだ」

 事件が大きく動いたのは、インドネシアのスマトラ島です。“過去最大規模”の10億円に上る不正受給。指名手配中だった谷口光弘容疑者が、この島で逮捕されたことが分かりました。

 インドネシアの現地警察によりますと、8日午前0時半、スマトラ島にいたところを警察などにより身柄を拘束されました。

 日本政府が旅券を取り消していたため、不法滞在の疑いが持たれています。

 現地メディアもイラスト付きで大きく報じていました。

 地元メディア「detik」:「午後10時30分(現地時間)に警察と移民局によってセントラルランプンで確保されました」

 逮捕されたのは、スマトラ島のランプン州。現地の日本料理店で働く人によりますと、海外にそれほど人気のある観光地ではないそうです。

 ランプン州の日本料理店勤務の人:「ランプンという場所は農業がメインの場所です。コーヒーやアブラヤシ、ゴムがとれます。海岸があるので観光地ではありますが、国内の人が多いです。日本人は以前は多く来ました。7、8年前です」

 ランプン州の日本料理店勤務の人:「日本人はめったにいない。日本人だったら目立つ」

 インドネシアの国家警察はANNのインタビューに全面協力の姿勢を示していました。

 インドネシア国家警察:「この件に関して私たちは常に連絡を取り合い積極的に対応しています。インドネシア警察は、日本の警察に全力で協力します。捜査を行う日本の警察に容疑者を引き渡します」

 家族ぐるみで、およそ10億円にも上る持続化給付金をだまし取ったとされる事件。谷口梨恵容疑者、長男、次男が逮捕され、主犯格とみられる元夫の光弘容疑者はインドネシアに逃亡していました。

 海外を巻き込んだ事件。ある地方都市から始まりました。

 三重県松阪市。大きな門構えの家が自宅です。

 谷口容疑者を知る人:「真っ赤なポルシェ乗っていた。大きなお家に住んですごいお金持ちなんやなと」

 舞台は、三重県から東京・六本木へと移ります。

 六本木でセミナーなどを行い、申請者を増やしていった光弘容疑者。そのグループの関係者によりますと、一連の犯行で6000万円近くが容疑者の懐に入ったといいます。

 2020年、インドネシアに渡った光弘容疑者。警察に逮捕され、遂にその姿を公に見せました。

 気になるのは今後、身柄はどうなるのかです。そして、消えた10億円の行方は・・・。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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