【広がる“週休3日制”】どんな生活? 給与の「維持型」や「減額型」など種類も

【広がる“週休3日制”】どんな生活? 給与の「維持型」や「減額型」など種類も

【広がる“週休3日制”】どんな生活? 給与の「維持型」や「減額型」など種類も

今、「週休3日制」を採用する企業が少しずつ増えてきています。「週休3日制」は主に3種類あり、休みが増えた分、給与も減る「減額型」。休みが増えても、給与は変わらない「維持型」。そして、「5日で40時間の労働時間を4日で働き、給与は変えないやり方」がありますが、実際に週休3日で働く人はどのような生活をしているのか取材しました。

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都内に住む熊谷文音さん(26)の自宅のキッチンには、薬膳で使う生薬が並んでいます。

熊谷さんは「カキドオシ」という葉を手に取り、「これは体を温める効能があって」と話します。

社会人4年目の熊谷さんは、土日は中国の伝統医学、「薬膳」を学ぶため東京・文京区にある専門学校「日本中医学院」へ通い、丸2日の休みを「勉強」に費やし、月曜日からは仕事、と思いきや――

熊谷さん
「休みが週休4日になります」

なんと、月曜日と火曜日もお休みだといいます。その2日は農作業をしたり、茶道をしたりするなど趣味を楽しみ、水・木・金曜日の3日、働いているといいます。

熊谷さんの本業は、日本IBMで働くコンサルタントです。今の給与は、週5日勤務の60%ほどに減額されていますが、減った分は将来への投資と捉えています。

実は今、正社員の休日を増やす「週休3日制」など、多様な働き方が広がっています。

「週休3日制」は主に3種類あります。休みが増えた分、給与も減る「減額型」。休みが増えても、給与は変わらない「維持型」。そして、「5日で40時間の労働時間を4日で働き、給与は変えないやり方」です。

熊谷さんは「減額型」ですが、その働き方を選んだワケは――

熊谷さん
「コロナ禍になって、時間の調整をもっと自分中心にできないかということを考えて」

自分の人生と働き方をコロナで見つめ直したといいます。相談したのは、週休3日を経験していた上司の殿井さんでした。

熊谷さんの上司 日本IBM殿井理恵さん
「(週休3日制度は)当たり前にあるものなので、(熊谷さんに)『使った方が良い事情があれば使った方がいいよ』と。(3日勤務で)いる間にできる仕事は何かってことを、きちんと考えてくれるようになったので、非常に生産性も上がった」

日本IBMでは、会社として週休3日制など制度を整えることで、社員の多様な働き方をサポートしています。「週休4日」にした熊谷さんに心の変化はあったのでしょうか。

熊谷さん
「自分で時間をマネジメントしながら、自分の人生を作っていくっていう、『自分視点のキャリア作り』に変わっていったなと」

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週休3日で「家族との時間」を考えた人もいます。IT大手「ヤフー」で働く和田山加代子さんが見せてくれたのは、娘のためにまとめた学習帳でした。

以前、週休3日を選択していたヤフー・和田山加代子さん(39)
「受験とかって、家族にとって本当にビッグイベントなので」

この春から私立中学へ通う娘の受験のため、今年3月まで「週休3日」を選択していました。

和田山さん
「『お母さんが仕事で忙しかったから全力でできなかった』というふうになった場合、親子共に『やっぱりこうしておけば良かったよね』というのが残ると思った」

当時、夫は単身赴任中。2人の子どもと暮らす中で、「家事も受験も全力でサポートしたい」と考えました。

和田山さん
「『ママ(休みの)水曜なんだから、ちゃんとご飯作ってよ』とかそうなると、やっぱり家事のレベルも、私としては質が上がったんじゃないかな」

ヤフーの週休3日制度も「減額型」です。週休3日制の意識調査では、「収入が減るなら利用したくない」との回答が約8割でした。収入を維持できるかが、制度導入のポイントとなっています。

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その課題に取り組んでいるのが、社員約130人の建設会社です。

建新COO専務取締役 松嶋和博さん
「(給与を)一切減額なく、そのまま変わらずにやらせていただいてます」

そこには、給与を維持したまま週休3日を取り入れる工夫がありました。

神奈川・横須賀市にある馬堀海岸を散歩するのは、建設会社「建新」に勤める営業職の男性です。

建新 営業職の男性(34)
「今日は、月1回の週休3日のお休みの日で」

男性が勤める建設会社は、今年4月から、全社員が「月1回、週休3日」になりました。


「3人家族みんなで行事ごととか、習い事に参加できている感じが、すごいうれしかったです」

これまでは平日休みが多く、なかなか休みづらかった日曜に娘のソフトボールの応援にいけるようになりました。

この会社が「週休3日」を実現するためにした工夫は「2000万円をかけた設備投資」でした。

建築現場で、1軒の家を建てるのに関わる協力業者は、約30社です。クラウド上で情報を共有し、時間と場所に縛られなくなり、業務を効率化できたといいます。

建新COO専務取締役 松嶋和博さん
「(以前は)着工して家ができるまで、120日かかっていました。今は90日なので、もう単純に30日短縮」

効率化を図ったことで休日を増やすことが可能になり、売り上げも上がっているといいます。

松嶋さん
「何か難しいとかできなければ、いったんストップして、できる方法を考えて、またやってみて、その繰り返しですね」

まだ、トライアル中ですが、2030年までの「完全週休3日」を目指して、今、まさに働き方を改革中だといいます。

ワークライフバランスを高める「週休3日」は、今後も注目されそうです。
(2022年6月3日放送「news every. 」より)

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