【独自】ウクライナ鉄道の幹部が語るロシア軍の思惑 ※動画視聴の際はご注意ください(2022年5月6日)

【独自】ウクライナ鉄道の幹部が語るロシア軍の思惑 ※動画視聴の際はご注意ください(2022年5月6日)

【独自】ウクライナ鉄道の幹部が語るロシア軍の思惑 ※動画視聴の際はご注意ください(2022年5月6日)

 戦勝記念日を前に、ロシア軍はウクライナ東部での攻撃を攻勢を強めています。ウクライナ軍がマリウポリでの避難が進まないと現状を訴えるなか、鉄道も攻撃を受けています。武器輸送を阻止する狙いがあるとみられています。どういうことなのでしょうか。

 4日、ロシアのキリエンコ大統領府第1副長官らがウクライナ南東部のマリウポリを訪問しました。

 9日の対ドイツ戦勝記念日を前に、ロシアの実効支配を示す狙いがあるものとみられます。

 街中でロシア国旗が掲げられるなど、“ロシア化”が進むマリウポリ。

 一方で・・・。

 マリウポリのアゾフスタリ製鉄所では、ロシア軍の攻撃が止まりません・・・。

 地下シェルターに避難する人:「これからがれきの下から引き続き、人を救出しようと思います」

 地下シェルターでの救助活動は困難を極めます。

 地下シェルターに避難する人:「残念ながら、今のところ見つけたのは2人の女の子の遺体だけです」

 ロシア軍の攻撃が続く南東部のマリウポリでは、国連と赤十字の支援のもと市民の避難が続いているといいます。

 避難したアゾフスタリ製鉄所の職員:「地下シェルターの湿気がひどいです。人も腐っています。持っている衣類と同じように傷も腐っています」

 5日、ウクライナのゼレンスキー大統領は、これまでにアゾフスタリ製鉄所から150人以上、マリウポリや近郊から300人以上が避難したと発表しました。

 鉄道への攻撃を行うロシア軍により、マリウポリ駅も完全に破壊されてしまいました・・・。

 「ウクライナ鉄道」の幹部が取材に応じてくれました。

 ウクライナ鉄道旅客部門・ペルツォブスキーCEO(最高経営責任者):「私たちは最後までマリウポリの人たちを避難させようとしましたが、残念ながら駅が破壊され、それは不可能になりました」

 ウクライナ国営の「ウクライナ鉄道」は約2000キロの線路がウクライナ全土を巡ります。しかし、各地が攻撃を受け、この地図の赤丸の箇所で運行が停止してしまいました。

 ロシア軍が鉄道を狙うのは、ウクライナへの西側諸国からの武器支援を阻止したい考えもあるとみられます。

 元々は乗客のほか、主に穀物や石炭などを運んでいたウクライナ鉄道。

 しかし、ロシアによる侵攻後は避難する人、食料や支援物資、そしてけがをした人を運ぶ医療列車にもなり、まさに生命線になっているのです。

 ウクライナ鉄道旅客部門・ペルツォブスキーCEO:「鉄道への攻撃は今でも続いていて、私たちは破壊された建物を復旧し、また破壊されても復旧し続ける。このプロセスの繰り返しです」

 ウクライナ鉄道の現在の悩みは、戦闘が起こっている場所に列車を送るか送らないかということです。

 ウクライナ鉄道旅客部門・ペルツォブスキーCEO:「マリウポリに送った職員も帰って来られないかもしれないという覚悟のうえで、そこに向かいました」

 そんななか、ウクライナ鉄道の幹部は、ある気になることを口にしました。

 ウクライナ鉄道旅客部門・ペルツォブスキーCEO:「ロシア軍はすべての鉄道を占領しようとしていました」

 ロシア軍は当初、鉄道への攻撃を行わなかったというのです。そこにはロシア軍のある作戦があったといいます。

 ウクライナ鉄道旅客部門・ペルツォブスキーCEO:「彼らは自分たちで鉄道を使いたかったのです。なぜなら戦略的にとても重要であり、燃料や軍需品の輸送ができるからです」

 実は、ウクライナは線路の幅がロシアと同じため、ロシア軍は兵士や物資の輸送にウクライナ鉄道を利用しようとしていたというのです。

 ウクライナ鉄道旅客部門・ペルツォブスキーCEO:「今、私たちは国の8割の鉄道をコントロールしています。ロシア軍の作戦は失敗しているのです」

 ウクライナ鉄道の幹部は、鉄道を止めれば職員は安全だが人々のために止めるわけにはいかないと話しています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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