滋賀県で全国初の『交通税』議論本格化…“公共交通存続”のため赤字路線を税で支える(2022年4月20日)

滋賀県で全国初の『交通税』議論本格化…“公共交通存続”のため赤字路線を税で支える(2022年4月20日)

滋賀県で全国初の『交通税』議論本格化…“公共交通存続”のため赤字路線を税で支える(2022年4月20日)

全国初の『交通税』導入の議論が本格化しそうです。滋賀県の税制審議会は4月20日、公共交通を維持していくための税金『交通税』導入を求める答申を知事に提出しました。

 4月20日、滋賀県の三日月大造知事に手渡された税制審議会の答申。全国でも例のない税金の導入を提言しています。

 (滋賀県 三日月大造知事)
 「地域の公共交通を支えるための税制の導入可能性について、“導入の検討をされたし”という答申をいただきました」

 鉄道やバスなど公共交通を維持していくための税、いわゆる『交通税』の導入です。人口減少、さらにはコロナ禍での生活スタイルの変化によって、鉄道やバスの利用者が一層減っていく中、“公共交通を使う人も使わない人もみんなで一緒に支えていこう”という考え方が基盤になっています。

 (滋賀県 三日月大造知事)
 「国の税金や補助金に頼る、また利用する人たちだけが負担をする、民間企業の努力に頼る、ということだけではない新たな選択肢を私たち滋賀県民が持てるとするならば、地域の将来にとって希望の光を見出せるのではないかなと」

 地方の公共交通を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。JR西日本は今年4月、利用客が少ないローカル線の収支状況を公表。“廃線の可能性もゼロではない”という姿勢を明確にしました。

 (JR西日本 長谷川一明社長)
 「鉄道は単なる民間事業ではないと思います。ただ、そうは言いましても(不採算路線を)維持していくのはなかなか経営的に厳しくなってきているということも事実でございます」

 鉄道の経営環境が厳しいのは滋賀県も同じです。県東部を走る近江鉄道は、ラッピング広告など経営努力は続けていますが、1994年度以降、28年連続の赤字が確実となっています。

 2年後の2024年度には鉄道施設や車両を自治体が保有する「上下分離」方式を導入。費用は、県で半分、沿線の市や町で半分を負担することが決まっていて、公費で鉄道を維持する未来がすぐそこに迫っているのです。

 滋賀県税制審議会は4月20日の答申で、交通税について、単独の税として新設するのではなく、すでにある税金に上乗せするやり方(超過課税方式)にするべきとしていて、対象として固定資産税や県民税、自動車税などが挙げられています。

 現実味を帯びてきた交通税。滋賀県民に話を聞くと次のような声が聞かれました。

 (滋賀県民)
 「額にはよるんだと思うんですけど、交通税が固定資産税に上乗せされるというのは変な気がしますけどね」
 「(Qバスや電車は乗らない?)全然乗らない。車。(鉄道やバスに)乗らない人にしたらちょっとなんでってなるわね」
 「72歳やで僕。この歳になって税金を取られたらたまったもんやないわ。僕はもう反対ですな。(Qじゃあ地方の鉄道やバスがなくなっても仕方がない?)いやいや、それは困る。近江鉄道もなかったら困る」

 実現すれば全国初となる交通税。三日月知事は早ければ2024年度での導入を目指す考えです。

▼MBS NEWS HP
https://ift.tt/qdfv7Vi

▼最新ニュースや特集を毎日配信 チャンネル登録お願いします!
https://www.youtube.com/c/MBSnewsCH?sub_confirmation=1

#MBSニュース #毎日放送 #交通税 #滋賀県 #公共交通存続 #赤字路線 #鉄道 #バス #利用者 #三日月大造知事

MBSnewsCHカテゴリの最新記事