約20年ぶり円安水準 1ドル126円台 社長たちから“悪い円安”の声
きのう、およそ20年ぶりに1ドル=126円台をつけた円相場。20年ぶりの円安水準ですが、企業トップからは「悪い円安」だとの声が相次いでいます。
旅行大手のJTB。きのう発表したハワイツアーの再開に大きな反響があったといいます。
JTB執行役員仕入商品事業部長 藤原卓行さん
「(ハワイは)やはり海外旅行においてシンボリックな方面。大変嬉しく思っている」
JTBでは今月28日出発分からハワイツアーを再開。3泊5日で27万円3千円のプランなどを企画しています。
10代女性
「ハワイとかこれから暖かくなるので満喫したい」
20代男性
「新婚旅行、コロナでキャンセルしちゃったんで、海が綺麗なところは行きたいなと」
久々に楽しめそうな海外旅行。しかし冷や水となるのが円安です。
きのう1ドル=126円をつけた円相場。2年前は1ドル108円でした。海外での買い物はコロナ前より2割近く割高です。
円安は日々の食卓にも影響を与えます。
アキダイ 秋葉弘道社長
「玉ねぎとか、あとこのバナナ。とてもなじみのあるものだと思うが、この辺は非常に値上がりしている。1店舗だけで、バナナだけで年間300万円くらい赤字。(この価格は)私も30年以上この業界にいて初めて」
輸入タマネギの仕入れ値は例年の3倍。そこに円安が拍車をかけています。
アキダイ 秋葉弘道社長
「食生活に与える影響は、この円安が非常に大きいといって過言じゃない」
きょう企業のトップからも円安に懸念を示す声が相次ぎました。
無印良品を展開する「良品計画」は・・・
良品計画 堂前宣夫社長
「これまで価格見直し、値下げをずっとやってきたんですが、それができないなと」
また、ファーストリテイリングの柳井会長兼社長は・・・
ファーストリテイリング 柳井正会長兼社長
「円安のメリットは全くありません。自国の通貨が安く評価されるっていうことは、決してプラスにならない」
専門家の試算では円安がプラスに働く業種は20業種中5業種だけ。残りの業種はマイナスです。
10%の円安は日本経済に1.8兆円の損失になるといいます。
一方、日銀は・・・
日銀 黒田東彦総裁
「円安が全体としては経済にプラスに作用しているというのは、基本的な認識に変わりはありません」
果たして円安は「プラス」なのか「マイナス」なのか。
みずほリサーチ&テクノロジーズ 酒井才介上席主任エコノミスト
「残念ながら悪い円安というものを意識せざるをえない状況。一部のプラスの影響を受ける業種と多くのマイナスの影響を受ける業種、ここで差が出てくる。格差を助長しかねない状況」
市場ではしばらく円安が進むと見られていますが、政府・日銀はどう舵取りをするのか手腕が問われます。
(14日17:32)
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