ＨＩＳ 子会社のＧｏＴｏ不正認める、給付金“最大６億円”返還へ

ＨＩＳ 子会社のＧｏＴｏ不正認める、給付金“最大６億円”返還へ

　私たちの調査報道で明らかになった大手旅行会社ＨＩＳの子会社をめぐるＧｏＴｏトラベルの不正疑惑。ＨＩＳが子会社の不正を認めました。返還すべき給付金は最大で６億円に上るとしています。

ＨＩＳ 澤田秀雄社長
　「関係者のみなさまにはご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした」

　深々と頭を下げたＨＩＳの澤田秀雄社長。子会社の不正への関与を認め、謝罪しました。

　私たちが追及してきたＧｏＴｏをめぐる不正。子会社の一つ「ミキ・ツーリスト」は社員の名前を使い、ホテル運営会社「ＪＨＡＴ」が運営するホテルに６０泊したと装い、のべ４８００泊分のＧｏＴｏの給付金が不正に申請された疑いがあることが、私たちの取材で明らかになっていました。これについて、ＨＩＳの調査委員会は・・・

ＨＩＳ調査委員会弁護士
　「給付金の不正受給の目的だったと、当委員会として認定せざるを得ません」

　実際に宿泊していたのは申請された４８００泊中１１４泊だったとして、不正受給目的と認定しました。

　そして、もう一つの子会社をめぐる疑惑。ジャパンホリデートラベルは、ＪＨＡＴのホテルでの１泊４万円の研修付き宿泊プランを販売していました。このプランに参加した都内の会社の幹部は私たちの取材に、“実態はなかった”と証言していました。

宿泊プランに参加した会社幹部 Ｘ氏
　「（宿泊代は）払っていないです。全く不正に関与するということは疑ってもいなかったですね」

　調査委員会によると、プランにはこの会社を含めて４社が参加し、のべ５万５０００泊分がＧｏＴｏ申請されていましたが、大部分に宿泊実態がなく、返金すべき給付金とクーポン券の総額は最大６億４０００万円に上ると明らかにしました。そして、調査委員会は不正について、ホテルを運営するＪＨＡＴ社が主導したとの見方を示しました。ＪＨＡＴの社長・平林朗氏は元ＨＩＳの社長でもあります。

ＨＩＳ 澤田秀雄社長
　「ＨＩＳは一切関与しておりません。（平林氏に）むかついていますね。何でそんなことするのか」

　私たちは今週火曜日に、平林氏を直撃していました。

ＨＩＳ元社長 平林朗ＪＨＡＴ社長

　「（Ｑ．平林さんから直接泊まらなくてもいいと誘いを受けたという証言があるが？）そのような事実はないです」

　ＨＩＳは今回の問題を受け、子会社の社長の解任を発表しました。ＧｏＴｏを所管する観光庁は、不正について、さらに調査を行っています。（24日18:32）